経団連事業サービス(十倉雅和会長)は3月18日、東京・大手町の経団連会館で、次世代経営リーダーの育成を目的とする「経団連フォーラム21」の第32期修了式を開催した。アドバイザーを務める山内雅喜ヤマトホールディングス会長、寺島実郎日本総合研究所会長、米倉誠一郎一橋大学名誉教授らが出席し、オンライン参加を含む今期受講者32名に励ましの言葉を贈った。
山内アドバイザーは、「変化のスピードが加速し、不透明さが増す時代においては、『変化対応力』を上げていく必要がある。そのためには自分のなかで視点や価値観の多様性を確保していくことが重要である。フォーラム21での学びや同期生との交流は、新たな視点や発想をもたらし、その多様性の確保を後押しする。本フォーラムで学んだことを活かし、同期生との交流を大切にして、変化対応力を高めてほしい」とエールを送った。
寺島アドバイザーは、「経営とは時代認識であり、経営者とは時代認識と格闘する職業である。私たちはいま、ロシアによるウクライナ侵攻という世界史的な転換点に立ち、世界秩序を再構築する必要に迫られている。そのなかで日本の存在感を保つため、自らの時代認識を研ぎ澄まし、経済人として活躍されることを期待している」と激励した。
米倉アドバイザーは、「失われた30年が過ぎ、私たちはいま不穏な時代の始まりにいる。この時代を生き抜くのに必要なのは、真っ当な学問をすることである。すなわち、見聞きしたことを受け止めるだけではなく、深読みしたり疑ったりして、より深く考えることが重要である。真の学びを続け、イノベーションを意識しながら、わからないことにチャレンジする気概を持ち続けてほしい」と述べた。
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修了式では、各修了生が同フォーラムを振り返り、スピーチを行った。「フォーラムを受講したことで、個人の成長と社会課題の解決を真剣に考える一年となった」「同期生との交流から大いに刺激を受けた。自分の専門性に閉じこもることなく、先の読めない世界を知ろうと努力し続けること、多様な意見に耳を傾けることの必要性を強く感じた」「自分がまだ何も知らないことに気づかされた」「厳しい状況にあるなかでも自分の頭で考え抜き、未来を信じてリーダーシップを発揮していくことへの勇気を与えられた。学びを継続していくうえで心強い仲間を得た」などの感想が述べられた。
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「経団連フォーラム21」は、企業の役員や部長クラスのメンバーが業種の枠を超えて相互に研鑽を深めることを目的として、1990年にスタートし、修了生数は936名に上る。第33期は5月ごろに開講する予定。
【経団連事業サービス】