Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年6月23日 No.3549  片野坂委員長がメキシコ国際企業連盟(COMCE)幹部と懇談 -メキシコと対面での交流を再開、日墨の経済連携の重要性を確認

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片野坂委員長(右)とメレイエス氏

経団連の片野坂真哉日本メキシコ経済委員長は5月27日、東京・大手町の経団連会館で、訪日したメキシコ国際企業連盟(COMCE)のエンリケ・メレイエスメキシコ日本経済委員会副委員長らと懇談した。メキシコにおける主要経済政策の動向について意見交換するとともに、国際情勢が激変するなか、日墨間の経済関係強化の重要性について認識を共有した。

■ 電力再国有化に関する憲法改正案の否決について

ロペス・オブラドール大統領がメキシコ議会に提出した電力再国有化に関する憲法改正案が今年4月に否決されたことについて、COMCE側は、議会の判断に安堵していると発言。改正案は再生可能エネルギーの利用促進に逆行するのみならず、メキシコに投資する海外企業の事業の安定性や信頼を損なうものであり、今後、メキシコはエネルギー政策に関する信頼回復に努める必要があるとの認識を示した。

また、先進国の後塵を拝するメキシコのグリーン政策について、早急な対応が必要であると強調するとともに、メキシコでは水不足が深刻化していることから、日本の技術による貢献に期待を表明した。

■ 新空港やUSMCAをめぐる意見交換

また、新空港や米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)をめぐり意見交換した。片野坂委員長は、今年3月に開港したフェリペ・アンヘレス新国際空港(AIFA)発展に向けて、メキシコ国内の輸送インフラ整備が重要と指摘した。

また、USMCAによる日墨経済関係への影響や両国間の貿易・投資の拡大に関連して、COMCE側は、まず新空港の周辺環境を整備していく方針であることを紹介。往来の活発化に伴い貨物輸送便を増便し、広範な分野の産業協力を発展させたいとした。さらにUSMCAの原産地規則に基づいて、サプライチェーンの再構築を迫られる日本企業にとっては、メキシコが有力なパートナーとなり得ると強調した。

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経団連とCOMCEは、日墨経済関係の発展に向けて今後も活発に対話し、一層の連携強化に取り組んでいく。

【国際協力本部】