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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年6月30日 No.3550 「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を改訂

経団連は6月17日、「オフィス」と「製造事業場」における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン(ガイドライン)を改訂した。2020年5月に策定してから、20年12月、21年4月、21年10月に続き、4度目の改訂となる。

今回のポイントは、(1)対面距離の目安を1~2メートルに短縮したこと(2)相対的なリスクは、汚染表面からの接触感染で低く、エアロゾル感染で高いことから対策にメリハリをつけたこと(3)濃厚接触者の追跡など保健所の関与についての記載を省略したこと(4)効果的な感染予防策の定着や変異株の特性、リスクの度合いに鑑みた記述を大幅に簡素化・省略したこと――である。

改訂のポイント
  • ・マスクの着用やオフィス・製造事業場の換気に応じて、仕切りのない状態で対面する場合に保つべき距離を1~2メートル目安に短縮した。
  • ・感染経路として飛沫感染やエアロゾル感染が主であり、汚染表面を介した接触感染のリスクは相対的に低いことから、設備や物品の消毒に関する記述を省略した。
  • ・感染スピードの速さや軽症者が多いこと等、オミクロン株の特性を踏まえ、濃厚接触者の追跡などの保健所に関する記述を省略した。
  • 基本的な感染予防対策の定着政府の方針の変化等を踏まえ、外勤・出張・会議・イベントなど一般的な感染対策に関する記述を簡略化した。
  • ・感染拡大期に対応を柔軟に取ることができるようにした。

距離の目安については、科学的事実を踏まえ、マスクの着用や換気等の状況に応じて、仕切りのない状態で対面する場合に保つべき距離を1~2メートルとした。

また、汚染表面からの接触感染のリスクが低いことから、ドアノブ、電気のスイッチ等の共有設備や、共有のテーブル・椅子など物品等の消毒に関する記述を省略した。一方、エアロゾル感染のリスクに鑑み、換気に関する記述は残した。

加えて、保健所によって積極的疫学調査の対応に違いがあることから、保健所に関する記述を省略した。その他の変更点の詳細については、経団連ウェブサイト(※)を確認されたい。

公表に際して、ガイドライン改訂の監修者である東北大学大学院の小坂健教授は、「必要な対策に絞り込んで、日常を取り戻すことは重要」とコメント。同じく監修者である国際医療福祉大学の和田耕治教授は、「ガイドラインを契機に、各職場の衛生委員会などで効果的な対策を考えてほしい」と述べた。

なお、同改訂はエンデミックに向けたひとつのステップであり、今後、感染状況が落ち着けばガイドラインを廃止することも視野に入ってくる。他方、変異株の発生により再び感染が拡大するようなことがあれば、強化もあり得る。

※ 新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインの四訂について
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/064.html

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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