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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年7月7日 No.3551 末松文科相との懇談会を開催 -教育・科学技術政策について意見交換

末松大臣

十倉会長

経団連(十倉雅和会長)は6月16日、東京・大手町の経団連会館で末松信介文部科学大臣をはじめ文部科学省幹部との懇談会を開催した。経団連からは十倉会長、冨田哲郎審議員会議長をはじめ副会長、審議員会副議長ら23名が出席し、教育や科学技術政策について幅広く意見交換した。

冒頭、十倉会長は、「教育・人材育成といった人への投資は、成長の『源泉』であり、また、社会課題を解決に導く『カギ・基盤』にもなる。さらには個人のウェルビーイング向上に貢献する『道しるべ』にもなる」と発言。「変化の激しい人生100年時代には、主体的な学びを通じて未来を切り拓いていく、多様な人材の育成が求められている。初等中等教育から高等教育、さらには社会人を対象としたリカレント教育に至るまで、新しい時代に対応した教育改革が急務である。教育改革・人材育成に関して、政府の方針と経団連の基本的な考え方の方向性は一致しており、産学官の連携・協働に向けた議論をこれから深めていきたい」と述べた。科学技術政策に関しては、わが国の研究力の低下が深刻であることから、科学技術立国の実現に向け、政府の中長期的な取り組みの強化に期待を示した。さらに、新たな付加価値を創造するうえで、スタートアップの育成・振興も重要であることから、大学を核としたスタートアップエコシステムの構築を求めた。

続けてあいさつした末松大臣は、教育未来創造会議が5月10日に公表した「我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について(第一次提言)」(別掲記事参照)の内容を紹介し、「わが国の未来を支える人材育成は産業競争力の向上にもつながる。産学官一体となって推進することが必要不可欠であり、産業界も協力してほしい」と述べた。科学技術政策に関しては、基礎研究と学術研究の中核を担う大学が自らの強みを伸ばしていくために、組織対組織の大型共同研究の拡充といった産業界からの投資への期待を表明した。また、スタートアップ振興に向けて、小中高生や高等専門学校生を対象としたアントレプレナーシップ教育の抜本的な強化に取り組む意思を表明するとともに、産業界の協力に期待を述べた。

懇談では、経団連から、文理融合教育・STEAM教育(注)、デジタル化・教育デジタルトランスフォーメーション(DX)、グローバル人材育成、リカレント教育の推進、インターンシップ等の学生のキャリア形成支援、研究環境の整備や博士人材への支援、大学による研究者・学生の起業支援、アントレプレナーシップ教育の充実、子どもたちのリアルな体験活動の推進等について発言が出されるなど、文科省との間で活発に意見を交わした。

閉会にあたり、十倉会長は、教育・科学技術政策などにかかわる山積する課題に対し、引き続き文科省と連携して取り組んでいくと述べた。

(注)5つの領域(Science〈科学〉、Technology〈技術〉、Engineering〈工学〉、Art〈芸術〉/Liberal Arts〈教養〉、Mathematics〈数学〉)を対象として、科学技術の素養を涵養するとともに、デザインや芸術、教養の要素を取り入れ創造性も育む教育

【SDGs本部】

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