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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年8月4日 No.3555 「企業向けワーケーション導入ガイド~場所にとらわれない働き方の最大活用」を公表

コロナ禍でのテレワークの浸透とともに、普段の職場や自宅とは異なる地域での滞在を楽しみながら働く「ワーケーション(Work+Vacation)」が注目されている。ワーケーションは、さまざまな地域への滞在機会の拡大につながるとともに、観光の活性化や地方創生の実現に資する可能性を秘めており、政府や地方自治体、観光関連事業者などからも期待が大きい。他方、企業にとっては、勤務と休暇の組み合わせを前提とした働き方の新しい概念であり、休暇中に仕事を奨励するものという誤解や、仕事と余暇の混在を招くことへの懸念などから、導入に慎重な見方も少なくない。そこで、経団連は、企業における導入を支援するため、「企業向けワーケーション導入ガイド~場所にとらわれない働き方の最大活用」を作成し、7月19日、公表した。概要は次のとおり。

■ ワーケーションのとらえ方と効果

企業において働き手のエンゲージメント向上が課題となるなか、時間と場所にとらわれず、自律的で柔軟な働き方を可能とする環境の整備が求められている。経団連では、ワーケーションについて、働く場所の自由度を高める制度の一つととらえたうえで、「普段の職場とは異なる地域への滞在とともに行うテレワーク」として整理した。その導入効果として、「生産性向上」「長期休暇取得促進」「人的ネットワークの強化」「採用力強化・リテンション」「健康増進」の五つを挙げている。

■ 社内規程の整備

また、ワーケーションを導入する際、三つのステップ((1)導入目的の明確化(2)自社のワーケーションスタイルの選択(3)必要な規程の整備)を踏むことが重要とした。このうち(3)にあたっては、働く場所を決定する主体の違いを踏まえて、ワーケーションを「企業型」と「個人型」の二類型に整理した(図表参照)。また、労務規程、費用負担、労災の不安に関する企業の担当者の声に対して、すでにテレワークを導入済みの企業であれば、ワーケーション導入にあたって新たに整備すべき点は多くないことを明示した。あわせて、政府のガイドラインなども紹介しながら、留意点を解説している。

ワーケーションの分類図

■ 地域・施設の選定

ワーケーションを行う地域や施設の選定にあたっては、映像等の情報のみに頼らず、担当者が現地に赴き確認することが重要であると指摘した。また費用面等での導入のハードルを下げる観点から、政府や地方自治体のモデル事業などの活用や、民間事業者のワーケーション関連の商品・サービスの活用も提案している。その参考に供するよう、「地方自治体におけるワーケーション事業事例集」「ワーケーション関連の商品・サービス事例集」も公表した。

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経団連は、これらの資料の活用を通じて、広く社会へワーケーションが定着することに加え、働きがいの向上や働き手の健康増進などの働き方改革、さらには関係人口の創出による持続可能な地域づくりの一助となることを期待している。

【産業政策本部】

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