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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年9月15日 No.3559 「令和5年度税制改正に関する提言」を公表 -「成長と分配の好循環」の実現に向けた税制措置を要望

経団連は9月13日、「令和5年度税制改正に関する提言」を公表した。

ポストコロナ時代に向けて、人、科学技術・イノベーション、スタートアップ、グリーントランスフォーメーション(GX)およびデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資等を後押しする税制改正が必要である。あわせて、企業は、国際課税制度におけるデジタル課税の導入という大変革期を迎えようとしている。企業の税および事務負担の増加を勘案しつつ、わが国の「成長と分配の好循環」の構築に向けて、あるべき税制の姿について骨太の議論を行うことも必要不可欠である。概要は次のとおり。

1.成長のエンジンの駆動に向けた税制

企業の将来にわたるイノベーション創出力を高める観点から、研究開発税制の拡充・維持を実現すべきである。また、スタートアップエコシステムの構築に向けて、ストックオプション税制の拡充等の税制措置を講じるべきである。さらにweb3時代に対応した所要の税制措置を検討すべきである。

また、「未来への投資」に向けた税制措置として、DX投資促進税制の延長および適用要件・対象の見直しに加えて、GX推進に向けた投資減税の深掘り等が必要である。なお、償却資産にかかる固定資産税は本来的に廃止すべきである。

2.サステイナブルな経済社会の構築に向けた税制

まず、自動車関係諸税の中長期のあるべき姿について、自動車の枠にとどまらない国民的議論・検討を進めるべきである。そのための第一歩として、自動車重量税のエコカー減税の拡充・延長等を実現すべきである。

次に、GXに向けて、各種研究開発投資、設備投資を重点的に支援し加速する税制措置を講じるべきである。炭素税の新規導入や、既存の地球温暖化対策税の税率引き上げは、少なくとも現時点では合理的とはいえない。

さらに、分厚い中間層の形成に向けて、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充を図ることが重要である。その際、既存制度を改組しつつ、制度期限の恒久化、非課税保有期間の無期限化等が考えられる。

3.企業のグローバル活動を下支えする税制

まず、デジタル課税について、利益配分ルールに相当する「第1の柱」、最低税率15%のミニマム課税となる「第2の柱」ともに企業の実務負担が過度なものとならないよう、各技術的論点にかかる議論を続けていくべきである。

次に、「第2の柱」の国内法制化を見据えて、既存の外国子会社合算税制について、事務負担の大幅な軽減および過剰合算の適正化を行うべきである。

4.その他

土地関連税制について、投資拡大の観点も踏まえつつ、長期保有土地等にかかる事業用資産の買換特例を延長・拡充すべきである。あわせて、土地にかかる固定資産税について、必要に応じて機動的な対応を講じるとともに、中長期的な観点から税負担の適正化に向けた所要の対応も行うべきである。

また、期限切れ租税特別措置について、海運関連税制の延長等を実現すべきである。

【経済基盤本部】

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