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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年11月3日 No.3565 訪欧ミッションがチェコ、ギリシャを訪問 -エネルギー、グリーン、デジタルといったわが国と共通する課題の解決向け意見交換/ヨーロッパ地域委員会

経団連は日欧経済関係の重要性に鑑み、例年欧州各国にミッションを派遣している。コロナ禍により2019年を最後に中断していたが、22年は3年ぶりに再開し、10月9日から14日にかけて、ヨーロッパ地域委員会の東原敏昭委員長、佐藤義雄委員長を団長とする10社・24人の団員がチェコ・プラハ、ギリシャ・アテネを訪問した。

各訪問先では、ロシアによるウクライナ侵略を受けた国際情勢の見通し、エネルギーの安定供給の確保、気候変動対策、デジタル化政策といったわが国と共通する課題に加え、各国の経済情勢・ビジネス環境、二国間経済交流の拡大、日・EU経済連携協定(EPA)の活用をめぐり、政府・経済界要人らと意見交換した。各国における懇談の概要は次のとおり。

■ チェコ

訪問先=ペトル・フィアラ首相、ヤン・リパフスキー外務大臣、ヨゼフ・シーケラ産業貿易大臣、マルチン・トラパ外務副大臣、ペトル・オチュコ産業貿易副大臣、ヤロスラフ・ハナーク・チェコ産業連盟会長、イリヤ・マザーネク・チェコ商工会議所会頭ほか

フィアラ首相(左手前から2人目)と意見交換する一行
(10月11日、チェコ)

チェコは1968年にソ連の侵略を受け、民主化を弾圧された経験から、ロシアによるウクライナ侵略に対してEU加盟国のなかで最も強硬な姿勢を示している。一方、ロシアのエネルギーに大きく依存しており、エネルギーの安定供給が喫緊の課題となっている。国を挙げて当面の代替資源の確保に奔走している。また長期的な視野から、再生可能エネルギーの拡大を進めるとともに、原子力発電の拡充に取り組んでいる。フィアラ首相は、価値観を共有するパートナーとして、グリーン分野における技術開発をはじめ、幅広い分野において、日本との協力関係の一層の拡充を求めた。

■ ギリシャ

訪問先=キリアコス・ミツォタキス首相、アドニス・ヨルギアディス開発・投資大臣、コスタス・スクレカス環境・エネルギー大臣、コスタス・フラゴヤニス外務副大臣、アレクシス・パティリス首相経済顧問、エフティミオス・ヴィダリス・ギリシャ産業連盟理事長ほか

右から東原副会長、ミツォタキス首相、佐藤委員長、
中山駐ギリシャ大使(10月13日、ギリシャ)

ギリシャは、欧州でエネルギー不足が問題となるなか、港湾の液化天然ガス(LNG)貯蔵施設の拡大を計画しており、欧州東部・西部へ電力やエネルギー資源を輸出するハブとしての機能を担うべく、エネルギー政策に取り組んでいる。また、EU復興計画に基づいてギリシャ政府が策定した「Greece 2.0」という復興プログラムのもと、グリーンやデジタルへの移行に関するプロジェクトが多く進められており、日本企業による同プログラム活用の可能性が示された。ミツォタキス首相は、日本はアジアにおける最も重要なパートナーであると述べ、日本企業からのさらなる投資に期待を示した。

【国際経済本部】

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