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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年12月1日 No.3569 CSTIと次期SIPをめぐり意見交換 -イノベーション委員会

経団連は11月7日、イノベーション委員会(安川健司委員長、田中孝司委員長)をオンラインで開催した。内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の篠原弘道議員、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局の須藤亮政策参与・プログラム統括、植木健司同参事官から、2023年度から開始する次期戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 次期SIPの検討状況

近年、技術開発や事業環境の変化が従来にも増して速まるなか、社会課題を解決するには、機動的かつ総合的なアプローチが必要となっている。そこで、SIPはミッション志向による省庁連携でのアジャイルな開発モデルを目指している。

次期SIPの課題候補選定にあたり、第6期科学技術・イノベーション基本計画に基づき、将来像(Society 5.0)からバックキャストして検討した。

また、課題候補の検討とあわせて、これまでの制度・運営面での論点を踏まえ、次期SIPの制度設計の具体化を図っている。主な点は以下の三つである。

  1. (1)利益相反への対応=プログラムディレクター(PD)やサブPDが産業界の出身である場合、PD等の所属企業が利益相反になることを危惧し、企業がSIPに関わりづらくなるという課題があった。そこで新たに、利益相反に関するルールや利益相反マネジメント体制を整備する。

  2. (2)戦略の作成=第1期、第2期SIPでは多くの研究成果を生み出したものの、社会実装につながったものばかりではなかった。次期SIPでは研究成果を社会実装につなげるため、技術だけでなく、事業、制度、社会的受容性、人材の五つの視点から、社会実装に向けた戦略の作成と指標の活用を行う。

  3. (3)マネジメント体制の構築=PDは、これまで研究開発のマネジメントに重点が置かれてきた。次期SIPでは社会実装に向けた取り組みを強化するため、研究推進法人の機能を活かした研究開発を推進する一方、関係省庁・産業界との連携など、総合的、機動的な取り組みを展開する。これまで、PD等と研究機関との間でのコミュニケーションや役割分担がうまくいかない場合があった。そのため、CSTIのガバニングボード、内閣府、研究推進法人等による3レイヤーのマネジメント体制を構築する。

次期SIP開始までの主なスケジュールは次のとおり。

  1. (1)PD候補のもとでフィージビリティスタディ(FS)を実施し、22年12月中旬ごろまでにその結果をまとめる。

  2. (2)ガバニングボードでの事前評価を踏まえたうえで、23年1月下旬ごろに次期SIPの「社会実装に向けた戦略及び研究開発計画」(「戦略及び計画」)(案)を作成する。

  3. (3)同案のパブリック・コメント、PDの公募を経て、「戦略及び計画」、PDを決定する。

■ 産業界への協力依頼

SIPを通じて、革新技術の社会実装を推進し、わが国を取り巻く社会課題の解決、国際競争力の強化につなげるためには、経団連・産業界の協力が不可欠である。そのため、研究課題・テーマの検討への積極的参加、各研究課題への人的支援、マッチングファンド等への貢献を含め、社会実装に向けた主体的・積極的な取り組み等への協力をお願いしたい。

【産業技術本部】

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