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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年12月15日 No.3571 COP27へ経団連代表団を派遣

西村大臣(右)と懇談する代表団

11月6日から20日にかけて、エジプトのシャルム・エル・シェイクでCOP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)が開催された。2021年のCOP26で、パリ協定の実施に関するルールが完成し、COP27では、パリ協定のもと、今後どのような取り組みを行っていくかが焦点となった。特に、途上国側の強い要求を受け、干ばつや洪水など気候変動による「損失と損害」(ロス&ダメージ)への対応が、今回初めて主要議題となった。

経団連は、COP27に右田彰雄環境委員会地球環境部会長を団長とする代表団を派遣し、最新の交渉状況をフォローするとともに、日本経済界の取り組みや基本的考え方などを積極的に発信した。

■ 交渉の主な結果

温室効果ガスの排出削減策については、パリ協定の1.5℃目標(世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べ1.5℃に抑える目標)に基づく取り組みの重要性が確認されたほか、締約国に対し、同目標と整合的な温室効果ガス排出削減目標(NDC)の策定を求める内容が合意文書に盛り込まれた。さらに、石炭火力発電の低減や、非効率な化石燃料補助金の段階的廃止についても合意がなされたが、これは21年のCOP26での合意と同じ内容である。

気候変動によるロス&ダメージへの対応に関しては、気候変動に特に脆弱な国への資金面での支援措置と、そのための基金の設置が決定された。具体的な仕組みや拠出額等は、23年、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されるCOP28での決定が目指されており、12月には基本的な枠組みを検討する「移行委員会」が設置される予定である。資金の出し手に中国などの新興国を加えるかどうかや、支援対象の線引き(気候変動との因果関係も含めてどのような国・損害を支援対象とするか等)が、今後の検討事項になるとみられる。

■ 経団連代表団の活動

COPへの経団連代表団の派遣は、19年のCOP25以来、約3年ぶりとなった。現地では、西村明宏環境大臣をはじめとする日本政府交渉団幹部と相次いで会談し、最新の交渉状況を確認するとともに、地球規模のカーボンニュートラルに向けた経済界の考え方などを説明した。

また、COP会場内の「ジャパン・パビリオン」において、「GXへの挑戦」をテーマとするサイドイベントを開催した。成長戦略としてのグリーントランスフォーメーション(GX)の重要性や、経団連の主体的取り組みである「カーボンニュートラル行動計画」「チャレンジ・ゼロ」のコンセプトと成果を発信したところ、諸外国の参加者から高い関心が寄せられた。

さらに、米国、EU、インド、ブラジルといった主要国・地域の経済界関係者との会合を実施し、各国のエネルギー・気候変動政策をめぐる最新動向をフォローするとともに、GX実現に向けた今後の連携・協力等について意見を交換した。

◇◇◇

経団連は、COP27への代表団派遣の成果を踏まえ、引き続き、世界全体のカーボンニュートラルおよびGXの実現に貢献していく。

【環境エネルギー本部】

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