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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年1月1日 No.3573 アストリッド・ベルギー王女一行との懇談会を開催

経団連は12月6日、東京・大手町の経団連会館で、来日中のベルギーのアストリッド王女と、アジャ・ラビブ外務・欧州・対外貿易・連邦文化機関大臣をはじめとする政財界一行との懇談会を開催した。経団連からは、十倉雅和会長、東原敏昭副会長・ヨーロッパ地域委員長、早川茂審議員会副議長、出雲充審議員会副議長、片野坂真哉外交委員長らが出席した。

アストリッド王女(前列中央)

冒頭、十倉会長は、「欧州の首都」であるブリュッセルを中心に、すでに多くの日本企業がベルギーに進出しており、今後は、グリーンやデジタル分野について、日ベルギー間のさらなる協力の可能性が大きいと発言。洋上風力発電をはじめ再生可能エネルギーの拡大、半導体技術の研究などについて、連携の強化が期待されると述べた。

続いて、ラビブ大臣があいさつ。今般の訪日経済ミッションには、フランダース地域政府、ワロン地域政府、ブリュッセル首都圏地域政府、ベルギー経済界から500人以上が参加しており、過去最大の規模を誇る。地政学的な緊張が高まり、不安定な国際情勢においてこそ、民主主義、法の支配、人権、自由貿易、公正な競争といった価値観を共有する日本との連携が重要となっている。パンデミックやロシアのウクライナ侵略といった危機について、すでに日本とベルギーは団結して対応しているが、同じく共通の課題である気候変動についても、連携の余地が大きい。ベルギー企業は、再生可能エネルギー由来のグリーン水素、洋上風力発電などで世界トップクラスの技術力を有しており、日本の脱炭素化に貢献し得ると発言した。

バート・デ=スメット・ベルギー企業連盟会長も、このような激動の時代において、日本をはじめ国際的なパートナーとの協働が重要だと強調した。ロシアによるウクライナ侵略を受け、現在、エネルギー資源など、戦略的物資の特定国への過度な依存が問題となっている。しかし、内向き志向を強め、自国回帰を追求するのではなく、むしろ貿易相手を多元化することで、信頼性の低い国への依存を低減させていくべきである。日本とベルギーで連携して保護主義や単独主義の潮流に反対し、自由で開かれた市場を推進するという強いメッセージを発信していくことが重要だと述べた。

ヤン・ヤンボン・フランダース地域政府首相が、スタートアップ振興に関するフランダース地域の取り組みを紹介。日本企業との協力への期待が示された。パスカル・スメット・ブリュッセル首都圏地域政府担当大臣は、欧州への玄関口としての役割を果たす国際都市ブリュッセルの魅力について説明。フィンテックやヘルスケアをはじめ、先端技術産業でも強みを持つと紹介するとともに、信頼関係が重視される昨今の情勢において、信頼できるパートナーである日本企業の進出を期待していると強調した。

【国際経済本部】

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