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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年3月9日 No.3582 第50回中国地方経済懇談会を開催

経団連と中国経済連合会(中国経連、清水希茂会長)は2月16日、広島市内で「第50回中国地方経済懇談会」を開催した。経団連からは十倉雅和会長、冨田哲郎審議員会議長をはじめ副会長らが、中国経連からは清水会長をはじめ会員約170人が参加し、「創造と変革による新たな成長の実現」を基本テーマに意見交換した。

冒頭の開会あいさつで中国経連の清水会長は、「当地域の本格的な経済回復に向けて、社会経済の幅広い分野で『創造と変革』に正面から取り組んでいくことが重要」と述べ、産業の変革や地方創生等のさまざまなテーマに関する経団連との懇談に大きな意欲をみせた。

続いて、経団連の十倉会長は、「『創造と変革』の重要性は全く同感である。経団連は、引き続き『from the social point of view』(社会性の視座)、そして、科学的・論理的・客観的な視点に立ちながら『サステイナブルな資本主義の実践』に努め、わが国が直面する社会的な課題の解決をエンジンに、持続的な経済成長を目指していく」と意気込みを述べたうえで、具体的な取り組みにおける中国経連とのさらなる連携を呼びかけた。

■ テーマ1「時代に即した地域産業への変革」

時代に即した地域産業への変革に関して、中国経連からの問題提起に対し経団連から、

  1. (1)4月に経団連が開催するB7、5月に広島で開催されるG7いずれも、経済安全保障は重要なテーマの一つである。経団連は、諸外国の経済団体と連携し、経済安全保障を確保しつつ自由で開かれた国際経済秩序の再構築に向けた取り組みを進めていく(安永竜夫副会長)
  2. (2)経団連は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向け、わが国独自の「価値協創型DX」を打ち出し、生活者価値の実現に向けて、あらゆる主体との有機的かつ自律的な協創を進めるモデルを提起している(東原敏昭副会長)
  3. (3)グリーントランスフォーメーション(GX)の推進に向け、政府が取りまとめた「GX実現に向けた基本方針」を踏まえ、今後は、地域特有の課題にも対応しながら、国を挙げて具体的な取り組みを進めていく必要がある(小堀秀毅副会長)
  4. (4)経団連が会員企業に遵守を求める行動原則「企業行動憲章」を実践するための資料である「実行の手引き」は、すべての企業において持続的な成長につながるものとして、ぜひ活用してほしい(平野信行副会長)
  5. (5)2023年版 経営労働政策特別委員会報告は、「未来を『協創』する労使関係」を基盤として「構造的な賃金引き上げ」を図り、「成長と分配の好循環」を持続的に実現し、「サステイナブルな資本主義」の実践につなげていくことを目指している(久保田政一副会長・事務総長)

――との発言があった。

■ テーマ2「活力に溢れる地域の創生」

活力に溢れる地域の創生について、中国経連からの問題提起に対し経団連から、

  1. (1)持続可能でレジリエントな観光を実現していくためには、中長期的な視点で、旅行スタイルの変化、消費単価の向上、地方へのインバウンドの誘客、繁閑差の是正、生産性の向上等、さまざまな課題に官民が連携して取り組むことが必要である(菰田正信副会長)
  2. (2)「地域協創アクションプログラム」は、地域経済活性化に向けて各地の企業と経団連会員企業をつなぐ仕組みである。経団連は同プログラムに基づき、先端技術の活用促進を通じた農業の成長産業化をはじめ、具体的な取り組みを進めている(永井浩二副会長)
  3. (3)人材育成における産学連携・協働の強化は極めて重要である。地域の大学は、地域の課題解決に取り組む実践的な教育プログラムを構築・実行し、地域の中核を担う人材を育成・確保することが求められる(小路明善副会長)

――との発言があった。

最後に、冨田審議員会議長が「地域の魅力向上には、DXやGXをはじめとする産業の成長戦略を打ち立てていくとともに、観光・農業などの地域の基幹産業のさらなる競争力の強化に取り組み、その土地ならではの特色を活かした地域づくりを図っていく姿勢が重要である。単なる口だけの目標にとどまるのではなく、具体的なアクションを実行すべく、地域の皆さまと力を合わせて尽力していく」と総括した。

【総務本部】

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