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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年3月30日 No.3585 第24回日タイ合同貿易経済委員会結団式を開催 -シントン駐日タイ大使が講演

シントン大使

経団連の日タイ貿易経済委員会(鈴木善久委員長、鈴木純委員長)は3月6日、東京・大手町の経団連会館で、タイ・バンコクで開催する第24回日タイ合同貿易経済委員会の日本側代表団結団式を開催した。シントン・ラーピセートパン駐日タイ特命全権大使から、タイの経済情勢と日本企業への期待について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ いち早くウィズコロナへかじを切り堅調な経済成長を見込む

タイ経済は堅調である。2022年第3四半期の経済成長率は前年同期比4.5%を記録した。雇用は6四半期連続で拡大し、第3四半期の失業率は1.23%に低下した。

新型コロナウイルスによる入国制限を撤廃したことで、観光収入が3四半期連続で増加し、22年第3四半期は46.7億ドルを記録した。しかし、同四半期の外国人観光客数は360万人であり、新型コロナ前の19年には年間3000万人を超えていたことを考えると、依然として少ない。

ロシア・ウクライナ情勢の長期化やエネルギー危機といった課題はあるが、23年は観光業の回復や内需拡大、農産物生産増加により、3~4%の成長率を予測している。

■ 日タイ関係を包括的戦略的パートナーに格上げ~さらなる連携強化を

往来が制限されるなかでも、日タイ両政府は、電話会談やオンラインなどを活用して緊密な交流を続けた。21年8月には第5回日タイ・ハイレベル合同委員会をオンラインで開催した。日タイの外務大臣が議長を務め、関係閣僚らがタイのBCG(バイオ、循環型、グリーン)経済モデルと日本のグリーン成長戦略における連携、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定や環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)、ビジネス環境整備などについて協議した。また、22年11月、APEC首脳会議出席のため訪タイした岸田文雄内閣総理大臣がプラユット首相と会談し、日タイ関係を戦略的パートナーから包括的戦略的パートナーに格上げすることで合意した。同日の外相会談では、林芳正外務大臣とドーン副首相兼外務大臣が、経済分野の協力の方向性を定めた日タイ戦略的経済連携5カ年計画に署名している。

さらに、23年3月4日、西村康稔経済産業大臣が議長を務めアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)関係閣僚会議が東京で開催された。タイからはスパッタナポン副首相兼エネルギー大臣が出席し、カーボンニュートラルやゼロエミッションに取り組んでいくことを確認した。

■ 日本企業はタイにおいて積極的に事業展開~EECへの投資を期待

22年、日タイ両国は外交関係樹立135周年を迎えた。1980年代以降、日本政府・企業の協力によるイースタン・シーボード工業団地の開発等によって、多くの日系企業がタイに進出している。日本は、タイへの海外直接投資のうち、3分の1を占める重要なパートナーである。

タイ政府は、東部3県を東部経済回廊(EEC)として特区に定め、インフラ開発を推進している。また、ターゲット産業(次世代自動車、スマートエレクトロニクスなど12の育成対象産業)を指定するとともに、健康福祉やデジタルなど特定産業を推進する七つの投資奨励ゾーンを設けて企業誘致を図っている。

環境に配慮しながら持続的成長を目指すタイのBCG経済モデルは、日本のカーボンニュートラルに向けた取り組みとも合致する。日本企業にはEECにおける積極的な投資を期待したい。

【国際協力本部】

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