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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年7月27日 No.3600 夏季フォーラム2023開催 -総括文書「資本主義の再構築と人材育成」を岸田首相に手交

岸田首相(中央)と十倉会長(右)、佐藤副会長

経団連(十倉雅和会長)は7月20、21の両日、長野県軽井沢町で「夏季フォーラム2023」(議長=佐藤康博副会長)を開催した。十倉会長、冨田哲郎審議員会議長をはじめ、副会長、審議員会副議長の合計39人が参加。「資本主義の再構築と人材育成」を統一テーマに討議し、「夏季フォーラム2023総括文書~資本主義の再構築と人材育成」を採択した。

1日目の開会式では十倉会長があいさつ。国際秩序の根幹を揺るがすウクライナ情勢の膠着状態、行き過ぎた資本主義による格差の拡大、少子高齢化・人口減少、地球温暖化による生態系の破壊など、本質的で、複雑に絡み合う難題が突き付けられる「ポリクライシス」の時代にあって、経団連が標榜する「サステイナブルな資本主義」を実践することで、われわれが直面する課題を克服することができるか、その本気度が問われていると強調した。

第1セッションでは「経済安全保障の現段階」と題して、前国家安全保障局長である、北村滋 北村エコノミックセキュリティ代表の講演を聴くとともに意見交換した。

第2セッションでは「人生100年時代の人材育成」と題して、東京大学大学院経済学研究科の柳川範之教授の講演を聴くとともに意見交換した。

2日目の第3セッションでは、「Reimaging Capitalism: Implications for Japanese Business Leaders(資本主義の再構築~日本のビジネスリーダーに向けた示唆)」と題して、ハーバード大学のレベッカ・ヘンダーソン教授のオンライン形式での講演を聴くとともに意見交換した。

第4セッションでは、四つの分科会に分かれ討議を行った。第1分科会(座長=東原敏昭副会長)は「Society 5.0時代の産業競争力強化」、第2分科会(座長=小路明善副会長)は「円滑な労働移動とリスキリング」、第3分科会(座長=遠藤信博副会長)は「社会不安を払拭するヘルスケア」、第4分科会(座長=安永竜夫副会長)は「東南アジア諸国をはじめとするグローバル・サウスとの連携」をテーマに、それぞれ集中的に議論した。

第5セッションでは、分科会での討議に関する各分科会座長からの報告に基づき参加者全員で議論するとともに、「夏季フォーラム2023総括文書」を採択した。

特別セッションで講演した岸田文雄内閣総理大臣は、「『新しい資本主義』では、あえて持続可能性にかかわる分野に投資を行うことで、社会課題の解決と経済成長の二兎を追う。こうした分野に、官が呼び水となって民の投資を集めることで、過少投資を乗り越えていく。まさに、官民で力を合わせた挑戦が必要だ」と述べ、官民連携による「新しい資本主義」の実現に向け、経済界への期待を示した。とりわけ、さまざまな分野で活用が期待される生成AIについて、政府として、日本の研究者やスタートアップ向けに計算基盤やデータを提供する場を創出するとともに、日本が国際的なルールづくりを主導すると表明した。閉会にあたり、十倉会長と佐藤副会長から岸田首相に総括文書を手交した。

なお、夏季フォーラムの詳細は「月刊経団連」9月号の特集で紹介する。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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