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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年7月27日 No.3600 第111回ILO総会に日本使用者側代表団を派遣 -市村国際労働部会長が代表演説

経団連は6月5日から16日にかけて、スイス・ジュネーブの国際労働機関(ILO)本部・国連欧州本部で開催された第111回ILO総会に、日本使用者側代表団を派遣した。

4年ぶりに原則対面形式で開催された総会には、ILOに加盟する187カ国から約4000人が参加。日本からは、羽生田俊厚生労働副大臣、市村彰浩経団連労働法規委員会国際労働部会長、清水秀行日本労働組合総連合会事務局長が政労使の代表として出席した。

■ 市村部会長が代表演説

市村部会長

9日に代表演説に立った市村部会長は、2023年4月に開催されたG7倉敷労働雇用大臣会合(G7倉敷)に、経済団体(B7)を代表して、国際使用者連盟(IOE)のロベルト・スアレス・サントス事務局長と共に出席した際、自身が発したメッセージを紹介。すべての関係者に対して、「防衛的・短期的な政策から、経済成長、雇用創出、ディーセント・ワークの実現をベースとした戦略的なアジェンダに移行すべきである。とりわけ雇用の創出とビジネスの発展を促進する政策的枠組みの構築や、効率的で利用しやすいリスキリング、アップスキルに関する施策の推進などが重要になる」と指摘した。

そのうえで、「職業教育の一形態である見習い研修制度や、グリーントランスフォーメーション(GX)を踏まえた公正な移行といった今回の総会の議題は、G7倉敷で確認した緊急に取り組むべき課題とも関連することから、重要な討議が行われている。政労使でしっかりと対話を重ね、将来に向けて取り組むべきことを明らかにしていきたい」と意気込みを語った。

■ 主な議題

23年のILO総会では、新たなILO条約や勧告の策定を議論する「基準設定討議」において、使用者側の意見を十分に反映した質の高い「見習い研修制度」に関する「勧告」(加盟国を拘束しないガイドライン文書)を採択した。また、条約・勧告といった国際文書の策定ではなく、タイムリーな課題や将来のILO活動について議論する「一般討議」では、「環境面からみて持続可能な経済とすべての人のための社会に向かう公正な移行の達成」をテーマに、ILOが15年に策定した「公正な移行ガイドライン」に基づいた各国の取り組み状況を中心に、深夜まで議論を重ねた。結果、公正な移行の実現に向けた(1)指導原則(2)政府、使用者・労働者団体の役割(3)ILOに求められる加盟国への支援内容――をガイダンス的に明記した「結論」を採択した。

【労働法制本部】

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