小野寺安全保障調査会長

経団連企業人政治フォーラム（片野坂真哉会長）は8月25日、東京・大手町の経団連会館で講演会を開催した。冨田哲郎審議員会議長、副会長、審議員会副議長をはじめ、主要会員企業から約180人が出席。防衛大臣等を歴任し、現在自由民主党の安全保障調査会長を務める小野寺五典衆議院議員が、「わが国の防衛と安全保障」と題して講演した。

小野寺氏は、ロシアによるウクライナ侵略や、台湾海峡における緊張の高まり等を背景に、わが国を取り巻く安全保障環境は、厳しさをより一層増していると指摘。

同時に、近年の戦争は、重要インフラに対するサイバー攻撃への備えが重要となるなど、防衛のあり方にも変化が求められていることに触れ、2022年末に策定した「国家安全保障戦略」等に基づき、日本国として、防衛力の着実な強化を図っていくことが重要であると述べた。

また、ロシアによるウクライナ侵略により、核戦争の脅威が現実化しつつあることを念頭に、安全保障の強化に向け、日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国戦略対話（QUAD）の枠組みの強化に努めるとともに、北大西洋条約機構（NATO）との連携を引き続き模索していくことが求められると言及。戦争そのものを抑止するためにこそ、しかるべき反撃能力を備えることが肝要との認識を示したうえで、「政治の責任として、いかなるときも国民を守り抜く覚悟をもって、防衛・安全保障政策を展開していきたい」との抱負を述べ、締めくくった。

【総務本部】