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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年10月5日 No.3607 ダールオール・トルコ大統領府投資局総裁と懇談 -日本トルコ経済委員会

ダールオール氏

経団連の日本トルコ経済委員会(満岡次郎委員長、漆間啓委員長)は9月11日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、アフメット・ブラク・ダールオール・トルコ大統領府投資局総裁から、大統領選挙後の新政府の投資関連政策について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 近年のトルコ経済

トルコと日本の二国間関係はエルトゥールル号での協力関係から始まり、130年以上にわたる友好関係を背景に、強力な経済・外交パートナーへと発展した。2024年、日・トルコ外交関係樹立100周年を迎えるが、特に貿易と投資の分野において関係をさらに強化したい。

23年はトルコ建国100周年を迎える。この1世紀でさまざまな成功を収めたが、特にこの20年間はエルドアン大統領のリーダーシップのもと発展が加速している。

03年以降のGDP年平均成長率は5.4%であり、他の経済諸国と比較しても驚くべき数字である。トルコは東欧周辺における外国直接投資の中心となっており、03年以降では2500億ドル以上を誘致した。外資企業の数も02年には6000社に満たなかったが、現在では8万社に達している。

また地理的な位置から、貿易における欧州・中東・アフリカのハブを担っている。02年の輸出総額は360億ドルだったが、22年には2250億ドルに達した。輸出品目の構成は今後、高付加価値製品・ハイテク製品へとシフトし、輸出総額も増え続ける見込みである。

■ トルコの中期計画

23年9月6日に発表されたトルコの中期計画では、26年の輸出目標額を3022億ドルに設定している。同計画は、(1)成長・貿易(2)労働力・雇用(3)物価・金融の安定(4)財政(5)災害管理(6)グリーントランスフォーメーション(GX)・デジタルトランスフォーメーション(DX)(7)ビジネス・投資環境――の七つの柱に基づいて作成された。これをもとに持続可能な経済成長を促し、インフレ問題の解消を目指す。計画では、トルコの年間インフレ率は23年末までに65%に達すると予測されているものの、24年からは減少に転じ、26年には1桁台になる見通しである。

■ 日本企業の進出

日本からトルコに対して多くの投資が行われていることは喜ばしい。現在、トルコには280社近くの日本企業が進出しており、直接投資額は47億ドルを超えている。経団連の多くの企業がトルコでの投資プロジェクトを実現させたと認識している。トルコへの投資は周辺市場、主にヨーロッパ、北アフリカ、中東へのマーケット拡大に直結する。また、ヨーロッパのグリーンディールにも対応できるよう、EUとの関税同盟協定の更新も進めている。日トルコ経済連携協定(EPA)は二国間貿易投資の発展の重要な枠組みであり、日本企業からの投資の増加に資すると信じている。日本の経済界の支持をお願いしたい。

【国際経済本部】

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