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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年11月2日 No.3611 南部アフリカ開発共同体(SADC)加盟国在京大使団との懇談会を開催

経団連のサブサハラ地域委員会(大橋徹二委員長、加留部淳委員長)は10月11日、東京・大手町の経団連会館で、会合を開催した。

南部アフリカ開発共同体(SADC)は、南部アフリカ地域の16カ国から成る地域経済共同体である。加盟国の人々の貧困削減および生活向上のため、域内の開発、平和・安全保障、経済成長の達成に向けて、経済統合・共同市場の創設および紛争解決・予防等の活動を行っている。

今回の幹事を務めたレソトのパレサ・モセツェ駐日大使をはじめ、在京大使館を置く全12カ国の大使らが出席。経団連からは、大橋・加留部両委員長をはじめ、SADC加盟諸国に関心を寄せる多くの企業が参加した。

■ 日本からみたSADCの重要性

経団連側からは、長期ビジョン「Agenda2063」をベースに内発的・持続的な発展の道を歩み始めるアフリカに対して、日本の経済界として、持てる技術、経験と知見、人材、ファイナンスを結集し、さまざまな分野で、内発的・持続的な発展に貢献し、真のパートナーとなることを目指していると発言。特に、南部アフリカ地域は、ベースメタル(鉄鉱石や銅など)やレアメタル(クロムやバナジウムなど)をはじめ、鉱物資源が豊富に賦存するなど、若く活気あふれる市場として高い将来性を備えていることから、インフラ、機械、食料、脱炭素、デジタルなど多くの分野で、さらなる連携が必要との考えを表明した。昨今の不安定な国際情勢において、重要資源の安定的な供給確保や、自由貿易の推進などの観点から、SADCとの関係の強化を希望するとした。

■ SADCが日本に寄せる期待

これに対して、SADC大使団からは、域内の経済統合、インフラ開発、人材開発、政治的安定性の強化などを積極的に進めてきたものの、いずれも発展途上であると指摘。今後の成長のためには、日本との一層のパートナーシップ強化が不可欠とした。

これまでの日本との連携の成功例として、SADC加盟国の複数の国境におけるワンストップボーダーポスト(OSBP)(注)化の実現を紹介。今後も同様の取り組みを進め、SADC域内の物流の迅速化と円滑化に期待を示した。バリューチェーンの強化、複数国にまたがる鉄道敷設やハイウエー建設などの交通インフラ整備、グリーン水素などのエネルギー分野への投資、人材開発等でも、日本との連携の余地が大きいことから、その実現に向けて、日本企業の現地訪問の頻度を増やしてほしいと要請した。

(注)税関の手続き共有化・業務効率化のための通関業務運営方式の一つ。通常、出国側、入国側でそれぞれ輸出入の手続きを要するが、OSBPでは1回で済ますことにより、国境を通過する物資の滞留時間を短縮し、物流の促進を図る

【国際協力本部】

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