1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2023年11月16日 No.3613
  5. ベシュト・フランス貿易担当相との懇談会を開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年11月16日 No.3613 ベシュト・フランス貿易担当相との懇談会を開催 -ヨーロッパ地域委員会

ベシュト大臣(左)と髙島委員長

経団連のヨーロッパ地域委員会(東原敏昭委員長、髙島誠委員長)は10月27日、東京・大手町の経団連会館で、G7大阪・堺貿易大臣会合に出席するため来日したフランスのオリビエ・ベシュト欧州・外務大臣付貿易・誘致・在外フランス人担当大臣との懇談会を開催した。ベシュト大臣の発言概要は次のとおり。

コロナ禍やロシアによるウクライナ侵略、中東情勢の緊迫化など、地政学的緊張が高まっている。不安定な国際情勢において、一つの国に過度に依存するリスクが認識されている。特に、重要鉱物の精錬・加工プロセスでは、中国が高いシェアを占めていることから、日欧で価値観を共有する国とも協力し、供給源の多様化を進めていきたい。他方、中国も含めデカップリングは不可能である。現在、内向き志向の国が多くみられるが、保護主義は紛争しか招かない。経済安全保障の確保に向けて、サプライチェーンの多様化によるデリスキングを図っていくことが必要である。

マクロン政権は、発足時から経済活動を重視するプロビジネスの政策を展開し、法人税の引き下げや研究開発費用の税額控除等を実施してきた。また、2021年には「フランス2030」計画を発表し、エネルギー移行、原子力発電、バイオ、宇宙、低炭素航空機、脱炭素化などでの競争力を強化すべく、540億ユーロ規模の投資を進めている。エネルギー分野では、先日、「グリーン製造業法」を採択したところである。バッテリー、ヒートポンプ、風力発電、太陽光発電の四つの戦略分野における投資支援を発表し、税制優遇措置の導入や認可手続きの簡素化を掲げている。また、小型モジュール炉(SMR)の研究開発にも注力しており、日本とは、次世代原子炉のほか、核廃棄物のリサイクル技術の開発についても協力を拡大していきたい。フランス政府は、デジタルトランスフォーメーション(DX)も推進しており、特にスタートアップ支援に力を入れている。大企業の連携を促進するためのスタートアップエコシステムの形成や、AIや量子等の先端分野における人材の確保を行っている。

すでに多岐にわたる分野に日本企業が進出しているが、今後、グリーンやデジタル分野でのさらなる投資を期待している。

【国際経済本部】

「2023年11月16日 No.3613」一覧はこちら