経団連(十倉雅和会長)の橋本英二副会長・産業競争力強化委員長と澤田純副会長・同委員長は5月7日、齋藤健経済産業大臣を訪問し、4月16日に公表した提言「日本産業の再飛躍へ」を建議した。
澤田副会長は、産業全体を見据えた長期的かつ統合的な戦略として「産業戦略2040」を策定することを提案した。そのうえで、産業基盤の強化に向けた施策の推進を求めた。とりわけ、わが国が直面する最も深刻な課題として「人手不足」を挙げ、デジタル化の推進や、それに伴う電力消費増に対応した安価なエネルギーの安定供給が重要と指摘した。
橋本副会長は、脱炭素やエネルギー安全保障の観点から、原子力の活用が不可欠であると指摘。原子力発電所の再稼働やリプレース・新増設の推進を求めた。さらに、企業による設備投資の意思決定を促すためにも、電力政策などの予見可能性を高めることが必要と強調した。
これに対して齋藤大臣は、官民の協力のもと、わが国の勝ち筋を見定めて投資を行い、海外の需要を取り込むことが重要との考えを示した。また、エネルギーの安定供給に向けては、次世代革新炉の開発・建設等を含め、省として一貫して取り組むと述べた。
経団連は、民主導による日本産業の再飛躍に向けて、政府をはじめ官民の多様なステークホルダーとの連携のもと、取り組みを進めていく。
【産業政策本部】