経団連(十倉雅和会長)の内田高史審議員会副議長/資源・エネルギー対策委員長と久保田政一副会長・事務総長は8月5日、岸田文雄内閣総理大臣を訪問し、「AZEC構想の推進に関する提言」(7月16日公表)を建議した。
内田副議長は、AZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)構想はアジアのカーボンニュートラル(CN)を推進するエンジンになると、日本経済界の高い期待を伝えた。また、日本政府を含むAZECパートナー国政府は、同構想を具体化していくうえで、「政策・制度面での連携・協調」と「個別プロジェクト支援」を車の両輪として取り組むべきであると指摘。パートナー国間における共通ルール等の整備や、トランジションファイナンスの仕組みの構築といったAZECワイドでの取り組みと並行して、脱炭素化に資する具体的なプロジェクトを規制・制度の改革や予算措置で後押しすることが必要と訴えた。
これに対し岸田首相は、AZECの今後10年を見据えた具体的な取り組み、すなわち電力・運輸・産業の脱炭素化を目指すイニシアティブや脱炭素市場の創設に向けたルール整備等を進めていくと応じた。
また、同月9日に小堀秀毅副会長・環境委員長、内田副議長が林芳正内閣官房長官を、同月7日に小堀副会長、内田副議長、原典之審議員会副議長/アジア・大洋州地域委員長が齋藤健経済産業大臣をそれぞれ訪問し、同提言を建議した。
林官房長官からは、AZECは、エネルギートランジションを進めるモデルとして世界に範を示すことができるとし、官民で協力して推進していきたいとの発言があった。
齋藤大臣は、政策協調と個別プロジェクトを車の両輪として推進していく点に賛同しつつ、多様な道筋のもと、CNを実現することの重要性を強調した。
【環境エネルギー本部】