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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年9月12日 No.3651 AZECアドボカシー・グループ第1回ラウンドテーブルを開催

「AZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)構想」は、岸田文雄内閣総理大臣が2022年1月に、「アジア各国が脱炭素化を進めるとの理念を共有し、エネルギートランジションを進めるために協力する」ことを目的として提唱したものである。23年3月に日本、ASEAN各国、オーストラリアの11カ国による第1回閣僚会合が、同年12月には首脳会合が開催された。その際、官民協力のもとAZEC構想を推進するため、「AZECアドボカシー・グループ」を創設することとなった。同グループは経団連(十倉雅和会長)、ASEANビジネス諮問評議会(ASEAN-BAC)、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)で構成される。

8月20日、同グループ発足後初となるラウンドテーブルが、インドネシア・ジャカルタで開催された。経団連の内田高史審議員会副議長/資源・エネルギー対策委員長、岩村有広常務理事はじめ、AZECパートナー各国の経済界代表者ら約20人が参加した。

開会あいさつをしたASEAN-BACインドネシアのアルシャド・ラシッド会長は、アジア諸国にとって、エネルギー安全保障とエネルギートランジションに同時に取り組み、追求していくことが重要と指摘した。続いて内田副議長があいさつ。脱炭素化はアジア共通の課題であり、日本経済界は、これまで培ってきたアジア諸国との信頼関係をベースに、AZEC構想の具体化に向けて貢献するとの決意を示した。あわせて経団連が取りまとめた「AZEC構想の推進に関する提言」(7月16日)を紹介した。この他ERIAの渡辺哲也事務総長があいさつし、アドボカシー・グループの役割は、アジアの経済界の声をまとめ、ASEANはじめアジア各国のカーボンニュートラル(CN)を達成するために必要な政策提言をすることであると述べた。

続く討議において、参加者からは、アジアのゼロエミッションの達成に向けた具体的な取り組みとして、再生可能エネルギーに加え、バイオマスやCCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)、水素、アンモニア、DACCS(大気中の二酸化炭素直接回収・貯留)等を組み合わせた発電への期待が示された。また、こうしたプロジェクトを実現していくうえで、トランジションファイナンスや炭素市場に関するルール形成をAZEC内で連携して進めることが重要であるとの意見が出された。

同グループはラウンドテーブルでの議論を踏まえて共同提言書を取りまとめ、翌21日に開催された第2回AZEC閣僚会合で手交した。

【環境エネルギー本部】

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