経団連は1月20日、東京・大手町の経団連会館で幹事会を開催した。平口洋法務大臣が「再犯防止と企業活動」、法務省の吉川崇保護局長が「『企業』と『更生保護』の連携」と題してそれぞれ講演した。概要は次のとおり。
■ 再犯防止と企業活動(平口法相)
平口大臣
わが国の刑法犯の認知件数は2002年にピークを迎え、その後減少傾向が続いていたが、近年は再び増加に転じている。
検挙者に占める再犯者の割合が約5割で高止まりしていることを踏まえれば、犯罪のない安全・安心な社会の実現、安定的な経済活動の基盤をつくるうえで、再犯防止への取り組みは不可欠だ。
16年には「再犯の防止等の推進に関する法律」が制定され、国だけでなく、地方公共団体や民間と一体になって再犯防止に取り組むことが求められている。
再犯防止には、更生保護が重要な役割を果たす。更生保護とは、犯罪や非行をした人たちの社会復帰を支援する活動だ。
経済界では、犯罪や非行をした人たちの就労や協力雇用主への支援を目的とする全国就労支援事業者機構(会長=十倉雅和経団連名誉会長)が、経団連をはじめとする経済団体の主導により09年に設立された。更生保護の重要性に対する理解は浸透してきている。
同機構への一層の支援と、企業ごとの強みを生かしたさまざまな面からの協力をお願いしたい。
■ 「企業」と「更生保護」の連携(吉川氏)
吉川氏
日本の更生保護の取り組みは、良好な治安を支えるものとして、海外からの評価も高い。更生保護に取り組む企業は年々増えてきていることから、この流れをぜひとも継続させたい。
企業の協力のあり方としては、広報・啓発活動への参加や更生保護施設等への物品・サービスの提供、少年院や地域社会等での教育プログラムの実施、犯罪や非行をした人の雇用、全国就労支援事業者機構への入会をはじめ、多岐にわたる。
保護司活動への協力も考えられる。保護司とは、非常勤の国家公務員としての身分を有しつつ、地域の人々や事情等をよく理解しているという民間人の立場を生かして、更生保護に取り組むボランティアだ。
現状、保護司の減少と高齢化が進んでおり、保護司の安定的な確保は大きな課題だ。現役世代が働きながら保護司活動に参画できるよう、ボランティア休暇等の適用や兼業許可等、事業活動に支障のない範囲で配慮をお願いしたい。
更生保護の国民的な認知度は、残念ながらまだ低い状況にあり、更生保護を誰もが当たり前に知っている状態にするためのプロジェクトを始動させた。更生保護は加害者支援の側面があるが、新たな被害者をつくらないための取り組みでもある。政府は、企業の更生保護に対する支援の意義をより高めていく。
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講演後、筒井義信会長は、全国就労支援事業者機構の取り組みについて「大きな意義があると考えており、経済界として積極的に貢献していくことが不可欠」と述べ、同機構に対する一層の支援を呼びかけた。
【総務本部】
