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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年3月5日 No.3720 企業行動憲章シンポジウムを開催 -サステナビリティ経営を加速する統合的アプローチの推進

西澤副議長

加賀谷氏

経団連(筒井義信会長)は、企業行動憲章の会員企業・団体への理解の浸透を目的に「企業行動憲章シンポジウム」を毎年度開催している。9回目となる2025年度は2月2日、東京・大手町の経団連会館で「サステナビリティ経営を加速する統合的アプローチの推進」をテーマに開催した(オンラインで同時中継)。概要は次のとおり。

■ 開会・基調講演

西澤敬二審議員会副議長/企業行動・SDGs委員長は、同シンポジウムのテーマに関し、複雑化する社会課題の解決には、課題間の相互作用を考慮しながら、全体最適を目指した取り組みを進め、「シナジー」や「全体としての価値」を創出することが求められると説明した。

経団連が25年10月に派遣した「SDGsミッション」の成果も紹介。

グローバルにサステナビリティ関連政策の後退が見られるなか、国際社会は日本のリーダーシップに高い期待を寄せている。経済界も短期的な外部環境の変化に左右されることなく、サステナビリティを成長機会と捉え、取り組みを一層加速するとともに、世界への発信の強化を推進していく必要があると述べた。

■ 講演「サステナビリティ経営の実践に求められる統合的視点と企業価値」(加賀谷哲之一橋大学商学部教授)

サステナビリティ経営を進めるうえでは、企業が環境・社会に与える影響を定点観測し、収益力向上と環境・社会課題解決の両立に向けて取り組む必要があり、そのことにステークホルダーの理解と共感を得ることが欠かせない。

優れたESG(環境・社会・ガバナンス)業績と企業価値の因果関係は、ESG業績の測定手法の未確立や投資家の評価基準の多様さといった課題があり、依然として研究途上だ。

社会インパクトのみを評価する投資家層はまだ小さく、当面は、財務分析にESG要素を組み込んで投資判断を行う「ESGインテグレーション」等を軸に運用する大規模投資家に向け、どのように情報を発信するかが重要になる。

サステナビリティへの取り組みを企業の競争力につなげるには、企業活動の本流に組み込み、ステークホルダーの情緒や価値観に働きかけ、新規顧客や安定的な資金調達等、企業に価値をもたらす行動を促進することを目指すべきだ。

■ パネル討議

パネル討議

兵頭誠之副会長(住友商事会長)、リコーの鈴木美佳子コーポレート執行役員、TBMの羽鳥徳郎執行役員CSuOが登壇。国際情勢を踏まえた日本企業のサステナビリティ経営のあり方や各社の取り組み等を紹介した後、議論した。登壇者の発言要旨は次のとおり。

(兵頭副会長)

サステナビリティの取り組みの推進力は、企業の経営方針と役職員一人ひとりの行動だ。

取り組みを企業価値につなげるために、日本企業は地政学リスクを踏まえてグローバルにバリューチェーンを最適化したうえで、官民連携により、サステナビリティ経営が世界で評価される国際ルールの形成に参画・主導すべきだ。

(鈴木氏)

ESGを取り巻く情勢は変化が激しいが、取引先からのESG要請は高まっており、企業レベルの取り組みは着実に浸透している。

リコーでは、事業活動と環境4分野(気候変動、資源枯渇、汚染、生物多様性)との関係性を示すとともに、この4分野の統合的なリスクと機会を評価している。開示のための開示ではなく、経営品質の向上に資する開示を目指すことが重要だ。

(羽鳥氏)

スタートアップ企業であるが、国際水準でサステナビリティに取り組んでいる。

社会課題間のトレードオフの問題に対処する第一歩は、「トレードオフの存在に気付く」ことであり、そのためには社外の専門家等との対話が有効だ。お客さまにとって未知な製品を提供しているからこそ、トレードオフの懸念を払拭すべく、環境負荷データや製造プロセスの「透明性」を高め、サプライヤーと共に課題解決に取り組む姿勢を伝えることが欠かせない。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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