あいさつする筒井会長
経団連(筒井義信会長)と中国経済連合会(中国経連、芦谷茂会長)は2月19日、岡山市内で「第53回中国地方経済懇談会」を開催した。経団連からは筒井会長、冨田哲郎審議員会議長、副会長らが、中国経連からは芦谷会長をはじめ140人が参加し、「新たな時代の地方創生~次の中国地方に向けた地域の挑戦」を基本テーマに意見交換した。
経済懇談会に先立ち開催した昼食懇談会では、伊原木隆太岡山県知事から、広域連携をはじめとする地方創生に向けた取り組みについて説明を聴くとともに、中国経連首脳を交えて意見交換した。
経済懇談会の開会あいさつで中国経連の芦谷会長は、中国経連が2026年に発足60周年の節目を迎えることに触れ、あらためてこの機会に、地域自らが主体性と創意をもって次世代の産業づくりと持続可能な地域づくりに取り組み、中国地方の魅力のさらなる向上に努めたいと述べた。
続いて筒井会長があいさつ。わが国経済は、将来にわたる持続的で力強い成長の実現に向けた正念場であるとの認識のもと、企業による国内投資がカギとなると強調。設備投資、研究開発投資、人的投資によって日本経済の基盤を強化し、さらなる成長を生み出す「投資牽引型経済」の確立を目指すと述べた。
■ 次世代の産業づくり
産業競争力の強化、新産業の創出・育成、グリーントランスフォーメーション(GX)の戦略的な推進に関し、中国経連から問題提起があった。
これに対して、経団連から、
- (1)多様なステークホルダーによる主体的な取り組みに加え、人口減少下では広域連携が地域経済活性化のカギ。中国地方でも、広域連携の先進地域として、産学官連携による産業のさらなる振興を期待する(永井浩二副会長)
- (2)科学技術立国の実現に向け、中国経連からの指摘も踏まえ、研究開発から実証・社会実装までを推進する産業クラスターの形成や、ディープテック分野でのエコシステム構築に向けた企業連携などに取り組んでいく(佐藤恒治副会長)
- (3)GXの推進に向けて経済界が取り組むべきは、国内外の事業環境を分析し、実行可能なGX投資を着実に進めること。製造業のGX推進に当たっては、工場が所在する地域の自治体との連携も不可欠(小堀秀毅副会長)
- (4)生産性の改善・向上、賃金上昇の機運醸成と定着、適正な価格転嫁の認識の共有により、賃金引き上げ原資を安定的に確保し、賃金引き上げの力強いモメンタムをさらに定着させることが重要(長澤仁志副会長)
――との発言があった。
■ 持続可能な地域づくり
観光産業による地域振興、企業の農業への参入促進、多様な人材の活躍促進に関し、中国経連から問題提起があった。
これに対して、経団連から、
- (1)観光の持続可能性が問われるなか、人材の確保・育成、オーバーツーリズムへの対応、地域分散・地方誘客が重要。「中国地域広域リージョン連携宣言」等に基づく地域主導の取り組みを心強く感じる(野田由美子副会長)
- (2)わが国農業は、スマート農業等を通じた生産基盤の強化、新たな担い手の確保等が課題。担い手として企業が果たし得る役割は極めて大きく、大企業に加え、スタートアップやベンチャーを積極的に巻き込むことが重要(小川啓之副会長)
- (3)企業の国際競争力の維持・強化には、多様な人材の労働参加をさらに促すことが重要。特に持続可能な地域づくりに向けた外国人材の活用には、高度外国人材の活躍推進、スキルアップの推進、受け入れ環境の整備が欠かせない(小路明善副会長)
- (4)27年3月から、横浜市で2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)が開催される。「幸せを創る明日の風景」をテーマとした国家的イベントであり、観光立国や地方創生の推進にもつなげるべく、各地で盛り上げたい(泉澤清次副会長)
――との発言があった。
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最後に冨田審議員会議長は、産業クラスター形成、スタートアップ、GX、観光、農業、多様な人材の活躍等の多角的な切り口での意見交換を振り返り、特色ある自然環境や産業基盤を生かした中国地方の取り組みは、わが国全体の地域づくりにとって重要な示唆だと総括した。
【総務本部】
