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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年4月23日 No.3727 駐欧州大使と懇談 -ヨーロッパ地域委員会

左から鈴木秀生大使、鈴木浩大使、相川大使

経団連(筒井義信会長)のヨーロッパ地域委員会(髙島誠委員長、東原敏昭委員長)は3月19日、東京・大手町の経団連会館で、欧州地域に駐在する日本国特命全権大使との懇談会を開催した。髙島副会長・同委員長の冒頭あいさつの後、3人の大使から現地情勢等について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 相川一俊EU日本政府代表部大使

フォン・デア・ライエン欧州委員長が2025年9月の一般教書演説で「今こそが欧州の独立の時」と発言したように、欧州連合(EU)の現在のキーワードは独立や自立だ。

最優先課題は防衛力の強化であり、EUは融資や研究開発等の仕組みを整備し、各国の防衛費増額を支援している。

エネルギーの自立のためには、ロシア産のガス・石油からの完全脱却を目指すとともに、再生可能エネルギーや原子力発電を推進している。

経済安全保障や競争力強化も優先課題だ。現在、EUは重要鉱物を備蓄する仕組みをつくっており、インドや中南米等との自由貿易協定のネットワークを拡大している。

欧州委員会は26年3月に「産業加速化法案」を公表した。自動車産業やネットゼロ技術について、域内組み立て要件等の「メード・イン・ヨーロッパ」を導入する予定であり、今後EU内で制度の詳細に関する調整が図られる。

日本はEUと、今後立ち上げる防衛産業対話、経済安全保障に関する具体的なプロジェクト、25年12月に日本の準参加に関して実質合意した研究開発支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」――を通じて、関係を強化していく。

■ 鈴木浩 駐英国大使

英国の25年の実質経済成長率は1.4%、26年の予測は1.1%と経済は低迷しており、経済成長の実現がスターマー政権の最大の目標になっている。これに向けて25年6月、英国政府として初の産業政策「現代産業戦略」を公表した。

外交面では、EUとの間で「リセット」を掲げ、25年5月の首脳会談で関係緊密化の方向性を確認したが、現時点で具体的な進展はみられない。

米国との間では、25年9月に技術繁栄ディールを発表し、26年2月に重要鉱物サプライチェーンの強化に関する協力覚書に署名した。

中国には、協力・競争・挑戦の考えのもとで再関与を進めていく方針であり、スターマー首相が26年1月に英国首相として8年ぶりに訪中した。

日本との関係では、25年11月の経団連ミッションの訪英に大変感謝している。

25年3月には経済版「2プラス2」を開催。英国にとってこの枠組みの初めての相手国が日本となった。日英産業戦略パートナーシップや日英経済安全保障パートナーシップも発足している。

■ 鈴木秀生 駐フランス大使

フランスでは、今後1年以上にわたって大型の選挙が立て続けに実施される。統一地方選挙を26年3月中旬に実施しており、上院選挙が9月、大統領選挙が27年春に実施される予定だ。新たに選ばれる大統領は国民議会を解散するだろう。

統一地方選挙は、国政に直接影響するわけではないが、大統領選挙も見据えた各党の動きが注目されている。

下院に当たる国民議会は11の会派に分かれている。与党連合は全議席の3分の1にも満たず、どの勢力も半数に満たないため、法案が通りづらい状況だ。

大統領選挙について現時点では、国民連合のジョルダン・バルデラ党首が圧倒的な支持率で首位に立っている。国民連合以外の政党が結集できない場合、バルデラ氏が大統領に選ばれる可能性があるが、与党連合も保守系政党も党内で分裂している状況だ。

【国際経済本部】

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