バンガ氏(左)と筒井会長
経団連の筒井義信会長は6月2日、東京・大手町の経団連会館で、世界銀行グループのアジェイ・バンガ総裁と懇談した。
世界銀行は極度の貧困の撲滅と繁栄の促進を使命とする世界最大の開発金融機関だ。近年は途上国のさらなる発展に向けて「質」を重視した調達制度改革を推進している。
懇談では、世界銀行が目指す方向性やグローバルサウスの持続可能な成長の実現に向けた取り組みについて意見交換を行った。
冒頭で筒井会長は、米中対立の継続、中東情勢の緊迫化等を背景に国際情勢が不安定化し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が大きく揺らいでいると指摘。各国・地域が内向きの姿勢を強め、地球規模課題やグローバルサウスが直面する社会課題の解決に向けた協調・協力が後退していることに懸念を示した。
そのうえで、長年にわたりグローバルサウスの持続的な発展に貢献してきた世界銀行が果たす役割は極めて重要とし、開発支援の促進に向けた同行の取り組みに期待を述べた。
バンガ氏は世界銀行が最も重視する課題として、途上国での若年層の雇用創出を挙げた。インフラ整備、プライマリーヘルスケア、農業、観光、製造業の5分野で取り組みを推進し、雇用創出につなげることが不可欠と指摘した。
その取り組みには民間資金の動員が重要として、前述の5分野でノウハウを持つ日本企業との協業拡大に期待を表明した。
世界銀行が取り組む調達制度改革を通じて、新興市場でのビジネス機会の創出を実現すべく、日本企業との継続的な対話に意欲を示した。
これを受けて筒井会長は、人口減少が進む日本にとってグローバルサウスとの連携強化は不可欠と応じた。
日本企業は現地の社会課題に寄り添いながら長期的なパートナーシップを構築することに長けており、世界銀行が推進する「質」を重視した調達機会に十分に貢献できるとの認識も示した。
【国際協力本部】
