マルタン氏(中央/提供:MEDEF)
G7サミット(6月15~17日、フランス・エビアン)に先立ち、6月10~11日、フランス経団連(MEDEF、パトリック・マルタン会長)主催のG7ビジネス・サミット(B7サミット)がフランス・パリで開催された。経団連(筒井義信会長)からは、髙島誠副会長、兵頭誠之副会長、東原敏昭審議員会副議長が参加した。
2026年のB7サミットは「岐路に直面する経済界」をテーマとし、G7各国経済界の首脳の間で、地政学的危機のもとでの課題や重要鉱物・エネルギー、国際金融、AI・イノベーションなどについて活発な議論が交わされた。
ルールに基づく自由で開かれた国際秩序を訴え続けていくことが必要との認識で一致したほか、各国がそれぞれ競争力強化に取り組むことが必要との認識も示された。
こうした議論を踏まえ、貿易、重要鉱物、金融、インフラ、デジタル、エネルギー環境、従業員への投資など多岐にわたる分野について、経団連の考えも盛り込まれた「B7サミット2026共同提言」がまとめられた。
G7議長国のフランス政府からはロラン・レスキュール経済・財務大臣、ジャン=ノエル・バロ欧州外務大臣があいさつした。
各セッションの概要は次のとおり。
■ 国内・国際情勢
左から東原副議長、髙島副会長、兵頭副会長
B7各団体代表によるセッションでは、髙島副会長が、経団連は日本政府と連携して競争力強化策の具体化に取り組んでいると説明した。
これに対する逆風として、ホルムズ海峡を巡る緊張や重要鉱物の輸出管理強化を挙げ、こうした眼前の課題を克服するためにG7が結束し、航行の自由やルールに基づく国際秩序を守ること、必要に応じて新たなルールの整備を主導することが必要と強調した。
■ 地政学的危機への対応
地政学的危機のもとでの経済面の課題に関するセッションでは、兵頭副会長が、過剰な補助金等のビジネスの原則に反する行動が世界経済の不均衡を生み出していると指摘した。
それでも経済界はあくまで自由貿易を追求すべきとし、不均衡を生んでいる根源的な問題の除去や、過剰生産による不当廉売への対抗措置を講じることが重要と強調した。
日本が主導する環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)については、自由貿易を重視する国々が参加しており、今後より多くの国々の参加を期待すると訴えた。
■ 重要鉱物とエネルギー、AI
重要鉱物とエネルギーに関する議論では、東原副議長が、再生可能エネルギーへの移行は石油資源依存からの脱却に資する一方で、重要鉱物などへの新たな依存を生み出すと指摘した。
レアアースについては、調達先の多様化、リサイクルの推進、新技術による使用量の削減が必要と述べた。
AIに関しては、米中で先端技術の開発・利活用が進むなかでの対応や規制のあり方が議論され、東原副議長は、40年や50年の社会像を構想したうえで規制を考えるべきだと述べた。
【国際経済本部】
