
岸田元首相(中央)、筒井会長(右)、片野坂フォーラム会長(左)
経団連(筒井義信会長)の関連団体である経団連企業人政治フォーラム(片野坂真哉会長)は、2026年7月に設立30周年を迎えた。これに当たり7月16日、東京・大手町の経団連会館で、岸田文雄元内閣総理大臣を招いて記念講演会を開催した。主要会員企業の幹部をはじめ約250人が出席した。岸田元首相の講演の概要は次のとおり。
■ 日本外交の針路
1990年代以降のポスト冷戦期に、世界は米国一強のもと、一時的な平穏を享受した。しかしその後、中国やグローバルサウスの台頭によるパワーバランスの変化、紛争の頻発化などにより、「Gゼロ」と呼ばれる時代に入った。
国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアがウクライナに侵攻したことで、ポスト冷戦期は終焉したと言える。
こうした国際情勢のなか、再び世界に平和と安定をもたらすべく、日本も行動すべきだ。
法の支配、多国間主義、自由と民主主義といった価値観に基づいて仲間を増やし、国同士の橋渡しを行うとともに、大国としたたかに交渉し、日本の国益を守ることが求められる。「理想の追求」と「現実へのしたたかな対応」こそが、今後の日本外交のキーワードだ。
こうした考えのもと、内閣総理大臣在任中には、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の推進や北大西洋条約機構(NATO)との連携強化に取り組んだ。
G7広島サミットや2024年の米国連邦議会上下両院合同会議での演説では、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性などを発信できた。
■ 持続的な経済成長
日本経済の成長のためには、官民連携のもと、賃金引き上げと成長分野への大胆な投資を進めていかなければならない。
自由民主党の日本成長戦略本部では、(1)成長の契機となる複数年度の視点と取り組み(2)成長を支える人材の結集(3)成長を支える資金の供給と確保(4)成長を牽引する企業の経営力の向上(5)成長を加速する国際連携――という五つの基本原則に沿った政策の検討および実行を政府に提言した。
持続的な成長の創出に向け、引き続き全力を尽くしていく。
■ 政治家としての責任
政治家には、政策を考える発想力、発想した政策を行動に移す実行力のみならず、行動に移した政策を結果に結び付ける根気と粘り強さが必要だと考えている。
21年から「新しい資本主義」という経済モデルのもと、賃金引き上げに取り組んできたが、5年を経た今、ようやく定着しつつある。
資産運用立国、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)、「こども未来戦略」に基づく子育て支援の取り組みも軌道に乗りつつある。
他方、実行に移したものの道半ばの政策もある。政治家の責任として、自ら始めた政策は、最後までフォローしていきたい。
◇◇◇
設立30周年記念講演会の後、与野党の幹部を含む国会議員約100人の参加を得て、懇親パーティーを開催した。
経団連企業人政治フォーラムでは、今後も国会議員らを招いた講演会や懇親パーティーなどの開催を通じて、企業人の政治参加の促進や、政治と経済との連携強化を図っていく。
【総務本部】
大臣や主要な政治家、有識者を招いた講演会の開催などを通じ、企業人の政治参加意識の高揚と、企業人と政治とのコミュニケーションの促進に努めています。
企業人の声で政治を変えるために、皆さまのご参加をお待ちしています。
◆ 入会のご案内は、ウェブサイトをご参照ください
URL: https://www.bpf.jp/
