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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年10月29日 No.3749 北海道経済懇談会を開催

あいさつする筒井会長

経団連(筒井義信会長)と北海道経済連合会(道経連、藤井裕会長)は10月8日、札幌市内で「第72回北海道経済懇談会」を開催した。経団連からは筒井会長、副会長らが、道経連からは藤井会長をはじめ会員約170人が参加し、「強い日本経済の実現に向けて始動する北海道~未来を共創する『選ばれる地域』へ」を基本テーマに意見交換した。

経済懇談会に先立ち開催した昼食懇談会では、鈴木直道北海道知事から副首都構想への対応や多極分散型経済圏の形成に向けた取り組みについて説明を聴き、道経連首脳を交えて意見交換した。

経済懇談会の開会あいさつで道経連の藤井会長は「北海道では食・観光という従来の強みに加え、半導体、宇宙、グリーントランスフォーメーション(GX)などの新たな成長分野への挑戦が進展している」と強調。こうした動きを確かな成長につなげていくことが、北海道のみならず日本全体の発展にもつながると述べた。

続いて筒井会長があいさつ。わが国経済の持続的な成長に向け、設備投資、研究開発投資、人的投資から成る「三位一体の国内成長投資」を推進し、「投資牽引型経済」の実現に取り組む決意をあらためて表明した。北海道における次世代半導体産業を起点とする新たな産業集積や、豊富な再生可能エネルギーへの期待も示した。

■ セッション1

「強い未来を創る次世代産業の形成」と題し、道経連が次世代半導体産業を起点とした北海道バレービジョンの実現や、GX、AI-DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について問題提起した。これに対して経団連から、

  1. (1)次世代半導体の製造拠点の形成には、企業、大学・高等専門学校、スタートアップなどによる産業の集積が必要。研究開発、事業化、人材育成などの好循環を生み、その効果を全道に波及させる仕組みの構築が重要(澤田純副会長)
  2. (2)AI関連インフラの整備にとどまらず、北海道に広がる農業、物流、製造、エネルギーなどの多様な環境でAIを実装し、地域課題の解決や新たな価値創造につなげることが重要。AIを使いこなす人材の育成・確保も不可欠(秋池玲子副会長)
  3. (3)半導体は国家安全保障と産業競争力を支える戦略物資。産業クラスターの形成や、企業・業界の垣根を越えた産業データスペースの整備などを通じ、地域内に強固なエコシステムを構築すべき(時田隆仁副会長)
  4. (4)北海道には、風力、太陽光、原子力などの多様な脱炭素電源を有する強みがある。こうした脱炭素電源を半導体やデータセンターなどの新たな電力需要と結び付け、産業立地や投資拡大につなげていくことが重要(泉澤清次副会長)
  5. (5)2027年3月から横浜市で開催される2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)は、カーボンニュートラル(CN)や循環経済を主要テーマとして掲げ、日本の先端技術も展示される。全国的な機運醸成に向けて協力をお願いする(藤原清明事務総長)

――との発言があった。

■ セッション2

「北海道全域で挑む食・観光の高付加価値化」と題し、道経連が農業の高度化を通じた農業先進地の実現や、付加価値の高い観光地域づくりについて問題提起した。これに対して経団連から、

  1. (1)安定的な食料生産や農業の成長産業化には、北海道で進められている農地の大規模化に加え、AIやロボットなどの先端技術の活用、データ連携・利活用の促進など、スマート農業の社会実装が重要(岩田圭一副会長)
  2. (2)北海道ならではの自然、食、文化などの観光資源を活用したアドベンチャーツーリズムは、高付加価値旅行者の誘客に有効。MaaS(次世代移動サービス)の活用による周遊性の向上は、観光による経済効果を道内各地に波及させることにもつながる(亀澤宏規副会長)

――との発言があった。

■ セッション3

「多様な人材に選ばれる地域づくり」と題し、道経連が地域を支える人材基盤の形成について問題提起した。これに対して経団連から、

  1. (1)人口減少が進むなか、個々の自治体の取り組みだけでは限界があるため、より広い圏域で各地域が連携し、地域活性化を図ることが重要。地域における産業クラスターの形成も求められる(野田由美子副会長)
  2. (2)地域を支える人材基盤の形成には、都市部から地方部への人の流れの創出と人材の定着が必要。副業・兼業やテレワークの活用、柔軟な受け入れ体制の整備、安心して暮らせる地域環境の整備を進めるべき(小宮暁副会長)
  3. (3)多様な人材から選ばれる地域となるには、女性や外国人材が能力を十分に発揮できる環境整備も不可欠。経営トップ主導による働き方・組織風土改革や、日本語教育などの社会統合の取り組みが必要(深澤祐二副会長)

――との発言があった。

■ GX関連施設を視察

翌9日、一行は石狩市を訪問。加藤龍幸市長と懇談し、GX戦略地域として進められている産業集積の方向性などの説明を受けた。

その後、石狩湾新港地域内の洋上風力発電施設およびバイオマス発電所、データセンターなどを視察した。GX、産業振興、地域づくりを一体的に進め、その成果を地域住民の生活や経済に還元する石狩市の取り組みについて理解を深めた。

洋上風力発電施設を視察

【総務本部】

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