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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年7月26日 No.3095 「夏季フォーラム2012」開催 -統一テーマ「新しい日本を創る」めぐり議論

経団連(米倉弘昌会長)は19、20の両日、長野県軽井沢町のホテルで「夏季フォーラム2012」(議長=渡辺捷昭副会長)を開催した。今回のフォーラムは、6重苦とも言われる厳しい国内の事業環境のなかで、企業がいかにグローバル競争を勝ち抜いていくのか、また、国として産業の競争力を高め、空洞化を回避し、どう成長戦略を描いていくのかということを念頭に置きながら、「新しい日本を創る」というテーマの下、2日間にわたって議論を行った。

長野県軽井沢町で開かれた夏季フォーラム2012


米倉会長(左)と渡辺副会長

フォーラムには、米倉会長、渡文明審議員会議長をはじめ、副会長、審議員会副議長ら33名が参加。経済、外交、政治、資源・エネルギー等の分野にわたり、国際社会におけるわが国の立ち位置や、強み・弱みといったわが国の身の丈をあらためて確認しながら、目指すべき姿とそれを実現するための戦略などについて、活発な討議を行った。

1日目午後の第1セッション「国際社会における日本の立ち位置」では、外交評論家の岡本行夫氏、21世紀政策研究所研究主幹の澤昭裕氏がそれぞれ講演した後、参加者を交えた意見交換を行った。岡本氏はまず、欧州の財政金融危機や北朝鮮の動向、イランにおける核開発問題、「アラブの春」後の中東・北アフリカ情勢など国際社会の現状を紹介。そのうえで、特に日米関係、日中関係、TPP(環太平洋経済連携協定)などについて、わが国がとるべき外交・安全保障政策のあり方を説明した。

続いて澤氏は、わが国のエネルギー政策について、これまでのエネルギー政策の歴史を振り返りながら、先般政府が示した「エネルギー・環境に関する選択肢」の三つのシナリオについて、安定供給、経済性、温暖化問題との関係などの観点から分析。「量の確保、経済性、環境のうち、経済性を劣後させるという基本方針に基づいて議論されている点が問題だ」と指摘するとともに、三つのシナリオいずれもが政府の「新成長戦略」と整合性がない点にも言及した。

2日目朝に行われた特別セッションでは、来賓に仙谷由人衆議院議員、林芳正参議院議員を迎え、フジテレビの反町理政治部編集委員の進行の下、新しい日本政治のあり方や日本政治の課題をめぐって意見交換を行った。特に、仙谷氏からは、「日本をギリシャ化させてはならない。健全な財政なくして、社会保障や公共サービスを持続的に維持していくことは不可能だ」、林氏からは、「今後、わが国経済はGDPに所得収支を加えたGNIを拡大させ、産業投資立国を目指すべき」との発言があった。

第2セッションでは、「目指すべき日本経済の姿」をテーマに、東京大学特任研究員の小川紘一氏、東京大学大学院経済学研究科教授の吉川洋氏が、それぞれ産業構造論とマクロ経済の観点から講演したのを受けて、意見交換を行った。小川氏は、グローバル経済における産業構造転換の背景として、製品のデジタル化と欧米諸国やアジア諸国における産業政策の変更を指摘したうえで、わが国製造業の方向性について、米国アップル社を参考に、「イノベーションで得られた成果をグローバル市場で展開するためには、新たなビジネスモデルと知財マネジメントが必要だ」と述べた。

続いて吉川氏は、日本経済が閉塞感で充満していると指摘したうえで、「人口と経済成長との間に相関関係はない。少子化・高齢化ではなく、イノベーションの減退が閉塞感の真の原因だ」とし、「日本は多様な課題を抱えているが、課題解決を進めていくことはイノベーションの創出につながる。日本はイノベーションに適した市場であり、日本企業はある程度は国内に軸足を置くべきだ」と述べた。

2日間の討議結果は、「議長総括-新しい日本を創る」として取りまとめ、公表した。また、終了後には、米倉会長と渡辺議長が記者会見を開き、フォーラムの成果を語った。

【政治社会本部】

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