1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2012年12月6日 No.3112
  5. グローバル人材育成と国際バカロレアについて聞く

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年12月6日 No.3112 グローバル人材育成と国際バカロレアについて聞く -教育問題委員会企画部会

経団連は11月19日、東京・大手町の経団連会館で教育問題委員会企画部会(岩波利光部会長)を開催し、文部科学省大臣官房の永山賀久国際課長、玉川学園の石塚清章教学部部長から、わが国における国際バカロレア(IB)(注)教育普及に向けた取り組みについて説明を聞くとともに懇談した。政府の「グローバル人材育成推進会議」は今年6月、高校卒業時にIB資格取得可能な学校等を5年以内に200校まで増やすことを提言、それを受けて文科省が現在、具体化に向けた検討を進めている。玉川学園は現在国内に24校あるIB教育の実践校である。

■ IBプログラムをグローバル人材育成に合理的に活用

文科省の永山氏は、「わが国でも今後、ニーズの高まるグローバル人材を育成するうえで、IBの教育手法は初等中等教育におけるグローバル人材育成方策の一つの柱として合理的に活用されるべきものである」と指摘。「IBの目指す、生きる力の育成、課題発見・解決能力、論理的思考力、コミュニケーション能力等の重用能力・スキルの確実な習得は、わが国のカリキュラム改革の参考になる」と述べた。さらに、「今年7月下旬から9月上旬にかけて、全国の教育委員会や高等学校等にIB導入に関する意向を調査したところ、教育委員会の68%、国立大学附属高校の67%、私立高校の23%から関心があるとの回答があった」ことを紹介した。一方、「今後わが国でIB教育を普及させていくためには、IBディプロマ・プログラムを担当できる人材の確保、学習指導要領との整合性の確保、協働型・双方向性型学習への対応や英語力の涵養、就職におけるIB資格の評価」に加え、「日本人教員による指導を容易にするよう、IBディプロマ課程の一部科目を日本語で実施するプログラムの開発・導入などが必要」と指摘した。

■ グローバル人材の自国内養成を目指して

続いて、玉川学園の石塚氏から、同学園が実施しているIB教育について説明があった。石塚氏は、「IBプログラムの双方向型・協働型授業や教室外での各種の体験活動を通じて、生徒は複数の課題を計画的にこなす自己管理能力や複数の視点による考察力、書く能力が身につけられるとともに、社会貢献意識が芽生える」と評価。IB教育への期待として「グローバル人材を国内で養成することで、日本人、日本文化、日本の知的財産のガラパゴス化(海外流出)を避ける」ことを挙げた。課題としては、IB課程を指導できる教員が不足していることを挙げ、「日本語によるIB教育の実施やIB教員の国内養成が必要」との認識を示した。

(注)国際バカロレア=インターナショナル・スクール等の卒業生に国際的に通用する大学入学資格を付与する仕組みとして国際バカロレア機構が開発した教育プログラム。年齢に応じて三つのプログラムに分かれており、大学進学前の2年間に実施されるプログラムは「ディプロマ・プログラム」と呼ばれる。ディプロマ・プログラムでは、六つのグループから選択した科目を履修し、課題論文など三つの要件を満たし、卒業試験に合格すると世界各国で大学入学資格として認められているディプロマ資格が得られる。

【社会広報本部】

「2012年12月6日 No.3112」一覧はこちら