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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年3月7日 No.3122 震災復興を願い1%クラブがシンポジウム開催 -現地の声をもとに復興支援考える

古賀委員長

1%(ワンパーセント)クラブ(佐藤正敏会長)は2月25日、東京・大手町の経団連会館で、企業ならびに被災地で支援活動に携わるNPO等から200名を超える参加者を得て、シンポジウム「東日本大震災の復興に向けて、企業とNPO等ができること―3年目の支援を考える」を開催した。

開会にあたり古賀信行・経団連社会貢献推進委員長は、「被災地のニーズの把握が重要である。本日の会合ではできるだけ現地の生の声を聞けるよう工夫した。今後の支援につながることを期待したい」とあいさつした。

■ 基調講演

堀田理事長

シンポジウムではまず、さわやか福祉財団理事長で弁護士の堀田力氏が「震災からの復興に求められる取り組みと経済界等への期待」と題し講演を行った。堀田氏は、生活再建期における支援の柱は、就業と地域ケアであり、その仕組みづくりが必要と述べた。

地域ケアに関しては、最後まで自宅で暮らすことを可能にする「地域包括ケアの町」のモデルを紹介。同モデルは、町の中心部に医療・介護施設をはじめ、商業施設や余暇施設を併設した「災害公営住宅」を整備するもので、その重要性を強調した。また、就業に関しては、経済界による組織的な支援への期待を示した。

■ 助成団体から見た今後の課題等

次に、支援活動を行っているNPO等に助成している、中央共同募金会(助成事業名:災害ボランティア・NPO活動サポート募金)、ジャパン・プラットフォーム(「共に生きる」ファンド)、日本NPOセンター(現地NPO応援基金)の三つの中間支援団体が、助成事業の現状と課題について説明した。いずれの団体からも、長期にわたる復興には、依然として、現地等で活動するNPO等への助成が欠かせないとして、これら助成事業への寄付をはじめ、企業による継続的な支援の必要性を訴えた。

■ パネルディスカッション

引き続き行われたパネルディスカッションでは、佐藤会長のコーディネートの下、NPOの復興に向けた取り組みや今後の課題などについて討議した。

まず、がんばッと!!玉浦の氏家義明氏が、各団体や企業の活動について、農業振興に関するイベントの開催や企業との連携などの事例を紹介した。コミュニティー支援については、故郷まちづくりナイン・タウンの伊藤寿郎氏から、産品直売所の開設を通じた地域の絆の再生、味の素CSR部長の沖田憲文氏から、巡回料理教室の開催による交流の場の提供、NTTドコモ東北復興新生支援室ゼネラルマネージャーの佐藤一夫氏からは、タブレット端末等ITを活用した支援についてそれぞれ説明があった。さらに子ども支援について、ビーンズふくしまの中鉢博之氏が、学習支援や県外避難者支援の取り組みを報告した。

また、企業への期待として中鉢氏は「県外避難先での支援」、伊藤氏は「地域リーダーの下支え」、氏家氏は「取り組みを紹介する場の提供」を挙げた。一方、支援活動への社員参加に関して、沖田氏が「参加社員が気づきを得て帰って来る」、佐藤氏が「現場志向で新たな芽を発見している」など効果を紹介した。

最後に、「まず活動を知ってもらい、支援を模索したい」(氏家氏)、「企業とNPO等、それぞれの得意分野を活かして協働したい」(中鉢氏)、「ビジネスを展開する力をつける機会が必要」(伊藤氏)、「企業同士の連携を広げたい」(沖田氏)、「社会課題解決のためCSV(共有価値創造)の思想が広がると良い」(佐藤氏)と、今後の展望を語った。

◇◇◇

シンポジウム終了後の交流会では、参加者間で活発な情報交換が行われた。

シンポジウムでは200名を超える参加者が東日本大震災
の復興に向けて企業とNPO等ができることを考えた

【政治社会本部】

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