1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2013年12月12日 No.3158
  5. 第50回四国地域経済懇談会を松山で開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年12月12日 No.3158 第50回四国地域経済懇談会を松山で開催 -「競争力の強化による日本の成長と四国の持続的発展」を基本テーマに意見交換

松山市で開かれた四国地域経済懇談会

経団連と四国経済連合会(四経連、常盤百樹会長)は4日、松山市内のホテルで「第50回四国地域経済懇談会」を開催した。経団連から米倉弘昌会長はじめ審議員会議長、副会長らが、四経連からは常盤会長はじめ会員約100名が参加し、「競争力の強化による日本の成長と四国の持続的発展」を基本テーマに、活動を報告するとともに懇談した。

開会あいさつのなかで四経連の常盤会長は、四国経済について、「四経連の景気動向調査では、経営者の景況感の回復が顕著になっている」と述べた。そのうえで、産業競争力強化は不可欠とし、「法人税引き下げをはじめとする税制改正や電力の安定供給確保など、わが国全体のグローバルな競争条件の速やかな改善」「四国の交通・物流インフラの整備の推進」「四国に集積する産業の一段の高度化に向けた産学官連携の強化」、さらに「四国の特性を活かした新たな成長産業の創出」が必要と指摘した。これらを支える地域基盤として、「子どもを産み育てやすい社会の構築」「南海トラフ巨大地震への対応力強化」、そして「道州制・四国州の実現」が欠かせないとの認識を示した。

続いてあいさつした経団連の米倉会長はまず、ここ数カ月で海外の日本に対する関心や期待が高まっていると指摘。この背景に、安倍内閣の経済政策による、GDP成長率や雇用者数、有効求人倍率の改善等があるとしたうえで、「2020年のオリンピック・パラリンピックの東京での開催決定は、わが国にさらなる活気をもたらす」との期待感を示した。続いて、安倍政権の政策を高く評価するとした「政策評価」に言及し、「経団連では、今後とも大胆な規制改革をはじめとする成長戦略をスピーディー、かつ力強く実現するように政府へ働きかけていく」と述べた。また、経済界の果たすべき役割について、「経済界が成長戦略の主役となって、企業の業績の改善が投資の拡大と雇用の創出、そして賃金の引き上げにつながる『経済の好循環』をつくり上げたい」と述べた。

■ 活動報告

第1部の活動報告では、まず経団連側から、(1)当面の経済運営(奥正之副会長)(2)持続可能な財政運営の確立に向けた取り組み(石原邦夫副会長)(3)社会保障制度改革の推進(斎藤勝利副会長)(4)日本再興戦略への期待(内山田竹志副会長)(5)経済の好循環実現に向けた取り組み(宮原耕治副会長)――について、取り組み状況をそれぞれ報告した。

一方、四経連側からは、(1)四国の産業競争力強化に向けた取り組み(森田浩治副会長)(2)四国の交流人口拡大に向けた取り組み(松田清宏副会長)(3)四国の食産業の活性化に向けた取り組み(竹内克之副会長)――について報告があった。

■ 意見交換

第2部の意見交換では、四経連から、(1)産業競争力強化と地震津波対策の両面から必要な交通インフラの整備(2)電力の安定供給と今後のエネルギー政策(3)企業が求める人材の育成に向けた教育改革(4)貿易の自由化促進と農業改革(5)生産年齢人口減少への対応(6)道州制の実現に向けた取り組み――の6点について問題提起があった。

これに対して経団連からは、(1)高速道路「四国8の字ネットワーク」をはじめとする四国地方でのインフラ整備は、南海トラフ巨大地震への防災・減災とともに産業競争力の観点から重要(大塚陸毅副会長)(2)短期的には、原子力発電所の再稼働プロセスを可能な限り加速化することが重要。中長期的には、原子力を含む多様なエネルギー源の活用により、安定供給、経済性、環境適合性の適切なバランスの確保が重要(大宮英明副会長)(3)グローバル人材の育成のために、初等・中等教育段階での英語教育の抜本的改革、大学入試改革、大学の国際化等を実施すべき(渡文明審議員会議長)(4)規制・制度改革、農商工連携および6次産業化等の推進により、日本の農業の付加価値を高め、農産物のみならず、農産技術や日本食を海外展開することが重要(三浦惺副会長)(5)限定正社員の活用、女性の活躍推進、高齢者の活躍推進、障害者、外国人材等の活用により、生産年齢人口減少に対処すべき(荻田伍副会長)(6)今後与党の対応状況を踏まえながら、道州制の実現へ向けて政治への働きかけを一層強化するとともに具体的な制度設計の検討も進めていく(畔柳信雄副会長)――とコメントがあった。

【総務本部】

「2013年12月12日 No.3158」一覧はこちら