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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年1月23日 No.3162 グローバル人材育成に向けた政府の取り組みと産業界への期待聞く -文部科学省の山中事務次官から/教育問題委員会

講演する山中事務次官

経団連は12月26日、東京・大手町の経団連会館で教育問題委員会(川村隆委員長)を開催し、文部科学省の山中伸一事務次官から、グローバル人材育成に向けた政府の取り組みと産業界への期待について説明を聞くとともに懇談した。

■ グローバル人材育成が求められる背景

山中次官は冒頭、グローバル人材が求められる背景として日本の人口減少と、それに伴う企業の海外事業活動の拡大について、「人口減少により国内市場が縮小するなか、企業の海外事業活動が拡大しており、特に輸出先として、新興市場国やアフリカが重要になっている。それに伴い、言語や宗教、文化、価値観の異なる国で活躍できるグローバル人材が求められるようになっている」と指摘した。

そのうえで、「日本人の海外留学者数は2004年をピークに減少に転じており、数字をみる限りは、今後、新興国の台頭やグローバル化の波に日本人の若者が対応していけるのか不安になるが、より長期的な傾向をみれば海外留学者数は増えており20年前との比較では倍増している。したがって学生に社会から何らかの刺激を与えれば、留学者数は大きく増えるものと期待される」と述べた。

■ グローバル人材育成に向けた政府の取り組み

続けて山中次官は、留学者数を増やすため、昨年6月に閣議決定された「日本再興戦略」において政府は、「20年までに日本人留学生を大学生等は6万人から12万人、高校生は3万人から6万人へそれぞれ倍増させることを決定した」ことを紹介。海外留学奨励のほかにも「世界トップレベルの教育研究を行い大学の国際化を牽引するスーパーグローバル大学や、将来のグローバルリーダーの育成を目指すスーパーグローバル・ハイスクールの指定、初等中等教育段階からの英語教育の抜本的拡充、外国語によるコミュニケーション能力のみでなく論理的思考力や課題発見力が身につく国際バカロレア(IB)の国内における普及など、グローバル人材育成に向けた施策を積極的に推進する」と述べた。

■ グローバル人材育成コミュニティへの参加への依頼

最後に山中次官は、留学者数倍増に向けた政府目標を達成するため官民協力による新たな募金・奨学金給付の仕組みを日本学生支援機構に創設することを説明。「この仕組みを実効あるものとするためには、民間企業の協力や知見が不可欠であるため、大学、政府、寄付に協力する企業、関連NPOなどが参加するグローバル人材育成コミュニティを創設する」と述べた。

そして同コミュニティでは、「学生の留学への動機づけから奨学金の支給、留学前・留学後の研修、インターンシップなどをトータルに支援していきたい」とし、同コミュニティへの経団連会員企業の積極的参加を求め、川村委員長からも、同コミュニティ創設の趣旨を踏まえ、協力するよう呼びかけた。

【社会広報本部】

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