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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年11月27日 No.3202 「国家ブランドの構築に向けた提言」を公表 -ジャパン・ブランドを強化し世界とともに成長する

経団連は18日、企業や個人の活動基盤となる日本のブランド力を強化し、国内にヒト・モノ・カネ・情報を呼び込むための国の体制づくりと取り組み強化の必要性を訴えるため、「国家ブランドの構築に向けた提言」を公表した。提言の背景とポイントは次のとおり。

■ 提言の背景

近年、政府では日本のポップカルチャーの海外での人気を背景に、コンテンツの輸出を促進する「クールジャパン戦略」を推進してきた。また、外国人旅行者誘致のための「ビジット・ジャパン」、直接投資を呼び込む「インベスト・ジャパン」といった取り組みもある。しかし、これらの売り込み策は各省バラバラで、国全体の取り組み、幅広い日本の魅力の売り込みにまでつながっていない。

その結果、外交や国際イベントを積極的に利用して官民で強烈な売り込みをかける世界各国のなかで、日本の存在感は薄まる傾向にあった。

■ 競争戦略としての国家ブランド力向上の必要性

そこで経団連は、わが国が自国の魅力や比較優位にある分野の認知度を高め、新たな市場を創出し、自国の成長を図ることは、国家経営の重要課題であることを指摘。高い品質や信頼性といった従来の日本の製品・サービスの強みを堅持しつつも、食を含めた多様性に富む風土と文化・コンテンツ、繊細なおもてなし、高度な科学技術、高機能で安全な都市や精度の高い交通・流通網、国際貢献の実績といったスペシャリティー(持ち味)についてもプロモーションを強化すべきとした。

■ ジャパン・ブランドの強化に向けた当面の課題

第2次安倍政権発足以降、政府においては、総理・官邸の情報発信を強化するとともに、「クールジャパン戦略」を企業の海外展開支援や農水産物の輸出、訪日外国人旅行者の誘致などへと拡大した。

経団連は、提言でこうした政府の取り組みを強く支持するとともに、今後はさらに視野の広い国家ブランド戦略を構築し、官邸を中心にPDCAサイクルを回していくよう求めている。

■ ジャパン・ブランドの深化の方向性

さらに英国がロンドン五輪を契機に実施した取り組みなどに学びつつも、日本らしい国家ブランド戦略を構築することを提案。「和魂洋才」に代表される日本人の柔軟性を活かし、海外との連携や官民連携の推進により幅広い分野でのイノベーションを創出すべきこと、このための環境整備として各国・各界のキーパーソンや情報を呼び込む国際会議等を積極的に開催・誘致することなどを求めている。

■ 経済界の取り組み

提言の最後では国に対し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを、世界とともに成長するチャンスとして最大限活用すること、そのために20年までの国際的なイベントを活用して、日本の魅力を戦略的・継続的に発信することなどを提案。経団連として、こうした構想に積極的に参画すること、また、経団連自身も国際会議等を通じ、日本の幅広い魅力を積極的に発信すること、こうした取り組みの推進に向け産学官や他の民間団体との連携を強化していくことを表明している。

※全文は http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/093.html 参照

【産業政策本部】

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