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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年6月18日 No.3228 関西会員懇談会を大阪で開催 -豊かで活力ある日本を再生する

経団連は11日、大阪市内のホテルで「関西会員懇談会」を開催した。榊原定征会長をはじめ審議員会議長、副会長らが出席し、関西地区からは会員約440名が参加。「豊かで活力ある日本を再生する」を基本テーマに、活動報告をするとともに懇談した。

開会あいさつのなかで榊原会長は、「日本経済は『アベノミクス』の一連の経済政策により着実な回復軌道をたどっているものの、GDPの約6割を占める個人消費にいまだ力強さを欠いている。今がまさにデフレ脱却や経済再生に向けての正念場であり、政・官・民があらゆる政策を総動員すべき重要な時期」との認識を示した。

そのうえで、この1年間の経団連の活動を振り返るとともに、2015年度を「経団連ビジョン」で描いた経済・社会の実現に向けた着実な一歩を踏み出す年と位置づけ、デフレからの脱却と経済再生に向け、しっかり道筋をつけるとの決意を述べた。さらに、今年度、優先的に取り組むべき政策課題として、産業復興や新産業の創生支援を中心とした震災復興への継続的な支援や、財政の健全化、エネルギーの安定供給と経済性の確保、地方創生、女性の活躍促進や人口構造の維持、米国ミッションなどの経済外交を掲げ、これら取り組みを強力に推進するため、海外拠点の強化を通じた対外交流の活発化など、経団連自身の改革も引き続き行っていくとした。

続いて、2日の定時総会で選任された岡本圀衞副会長、永易克典副会長、宮永俊一副会長、十倉雅和副会長、飯島彰己副会長、工藤泰三副会長の6氏が新任あいさつとして抱負を語った。

■ 活動報告

活動報告では、(1)財政健全化計画の策定に向けた提言(石原邦夫副会長)(2)未来創造に資する「科学技術イノベーション基本計画」への進化を求める―第5期科学技術基本計画の策定に向けた第2次提言(内山田竹志副会長)(3)エネルギー・気候変動政策に関する最近の取り組み(岩沙弘道審議員会議長)――についてそれぞれ説明した。

■ 自由懇談

自由懇談では、関西地区の会員から(1)最先端医療の集積地である関西をさらに発展させ、医療ツーリズムの拠点とすべき(佐藤存ダイソー社長)(2)日本の食料自給率の向上および農業の若い担い手確保のためには農業の生産性向上が必要。そのために、農地の大規模化に資する規制緩和やTPP(環太平洋経済連携協定)を含めた農産物の貿易自由化を進めるべき(小林浩日本ハム取締役)(3)今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックなど、国際的なスポーツイベントがめじろ押しであり、これらを機にスポーツを通じた健康増進への取り組み、スポーツツーリズムによる外国人観光客の呼び込みなどに力を入れるべき(尾山基アシックス社長)――との問題提起があった。

これに対して、(1)関西で指定されている3つの特区を突破口に、産学官連携による研究開発成果を世界に先駆けて実用化し、最先端医療提供のモデルケースになることを期待(古賀信行副会長)(2)農業改革では経団連とJAとの連携を強化するとともに、大規模化のため農地集積を進めた都道府県への補助金拡充や農地貸し出しの促進に資する税制の整備などを行う必要がある(荻田伍副会長)(3)スポーツ振興を通じて健康増進や外国人観光客を日本に呼び込む取り組みは重要であり、経団連もオリンピック・パラリンピック等推進委員会を中心にスポーツ振興に取り組む(中西宏明副会長)――と応じた。

最後に、榊原会長が、「本日いただいた現場の具体的な課題をしっかり受け止め、政策提言に活かすとともに、デフレからの脱却や経済再生に向け、これまで以上に関西地区の会員と密接に連携していきたい」と総括した。

【関西事務所】

関西会員懇談会後の榊原会長記者会見

経団連の榊原定征会長は11日、大阪市内で開催された関西会員懇談会の終了後、記者会見を行った。
榊原会長の発言の概要は次のとおり。

■ 関西経済

関西経済については、医療機器、自動車、電子機器を中心に設備投資や輸出が堅調に推移している。また、大型商業施設の新規開業が相次ぎ、インバウンドを中心に観光業も好調である。昨年の外国人の宿泊者数は1057万人と大幅に増加した。関西の景況感は全国平均と比べて良いと受け止めている。

■ 電力料金の値上げ

東日本大震災以降、電力料金は産業用が30%、家庭用が20%上昇している。国民生活の負担が増大し、産業界としても国際競争力強化に向けた足かせとなると同時に、設備投資の抑制要因となっている。電力料金は国民生活・企業活動の基盤であり経済性のある価格で安定的に供給されることが欠かせない。

今回の関西電力の値上げは管内の原子力発電所の再稼働の見通しが立たないなかでのものであり、やむを得ない措置として理解している。経団連としては、引き続き原子力発電所の再稼働プロセスの加速を訴えるとともに、再生可能エネルギー固定価格買取制度の見直しを求めていく。

■ 地球温暖化対策

2030年までに2013年比で26%削減というわが国の温室効果ガス削減目標は大変意欲的なものであり、国際社会からも野心的な目標として高く評価されている。限界削減費用や排出削減費用など実質的な観点からも極めて高い目標値といえ、地球温暖化対策においてわが国が先導的な役割を果たすものである。日本は世界最先端の環境技術を有しており、これを世界の温暖化対策に活用し、国際社会へ貢献していくことが重要である。

【広報本部】

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