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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年7月23日 No.3233 早稲田大学、明治大学の進めるグローバル化と大学改革について聞く -教育問題委員会企画部会

経団連の教育問題委員会企画部会(三宅龍也部会長)は6月30日、東京・大手町の経団連会館で、早稲田大学の橋本周司副総長および明治大学の勝悦子副学長を招き、国際化や大学改革への取り組み、産業界への期待などについて説明を聞くとともに、懇談した。

教育問題委員会では、今年度の活動として、今年1月に公表した経団連ビジョン「『豊かで活力ある日本』の再生」で指摘した人材育成や大学改革の実現に向けて、主要大学の学長や副学長等との意見交換を進めていくこととしている。

■ “Waseda Vision 150”

早稲田大学の橋本副総長はまず、早稲田大学が創立150周年を迎える2032年に目指す姿を描いた“Waseda Vision 150”について説明し、アジアのリーディング・ユニバーシティとして世界に貢献する大学であり続けるために、数値目標として「外国人留学生を2014年の4985人から1万人に増やし、学生の5人に1人を留学生とすること、日本人学生全員が海外留学等の海外体験をすること」などを掲げていると紹介した。

また文部科学省の「スーパーグローバル大学創生支援事業」に認定された「Waseda Ocean構想」では、「実証政治経済学、日本文化学、ICTロボット工学などの先行6モデル拠点で教育研究システムやガバナンスを刷新し、世界の先導的な大学との間で研究者や学生の教育・研究交流を行うことにより、今後10年で18の研究分野において、世界100位以内に入ることを目指す」と述べた。

最後に私立大学の財政問題を指摘し、「国立大学と比べて私立大学に投入される1校当たりの公費は40分の1」であり、国内外における大学間競争が激化するなかで、「グローバル化対応、多様性の確保等を実現するためには強固な財政基盤が必要であり、国庫補助の拡充や新たな財源確保が必要」と訴えた。

■ 英語「を」勉強するのではなく、英語「で」学ぶ力を

明治大学の勝副学長は、文部科学省の「スーパーグローバル大学創生支援事業」に認定された「世界へ! MEIJI8000」について説明し、10年後には、2人に1人が海外留学をしていることや、全学生が国内外で国際体験をしていることなどの数値目標を掲げていることを挙げ、「英語を勉強するのではなく、英語でディスカッションをする力や専門科目を体系的に学ぶ力を養成したい」と抱負を述べた。具体的なプログラムとして、デューク大学やシェフィールド大学など世界のトップ大学から教員を招聘し、日本にいながら歴史や経済学などトップスクールの講義が体験できる「トップスクール・セミナー」や、約4年間で明治大学とノースイースタン大学の2つの学位が取れるダブル・ディグリー・プログラム、ASEAN17カ国の協力大学との間で実施している共同教育プログラムなどを紹介した。

■ 留学生を増やすために

続く意見交換で、委員から「外国人留学生をさらに増やすためには、どのような施策が必要か」と質問したのに対し、橋本副総長は「優秀な外国人留学生に来てもらうには奨学金が必要だが、大学側の財政能力の限界もある。サマープログラムを活用したり、欧米企業からの企業人留学生を増やすことなども一案」と述べた。また勝副学長は「日本企業が留学生の採用を増やせば、日本への留学生増大につながる」と回答した。

【教育・スポーツ推進本部】

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