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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年3月30日 No.3310 東北応援シンポジウムを開催 -風評払拭に向けた共同アピール公表/東日本大震災から6年

風評払拭に有効な方策等をめぐり議論

経団連は10日、東京・大手町の経団連会館で「風評なんか吹き飛ばせ! 行こう!食べよう!東北応援シンポジウム」を開催した。東日本大震災の発生から6年が経過するなか、今なお残る風評の影響を食い止め、産業復興の一助とすることがねらい。当日はシンポジウムにあわせて復興庁、福島県、東北経済連合会、東北観光推進機構がパネル展示を行い、企業、復興庁、地方自治体などから約180名が参加した。

開会あいさつで岩沙弘道審議員会議長は、「地域経済の柱である観光・農林水産業に対する風評を根絶しなければ、東北の真の復興は成し遂げられない」と指摘。「シンポジウムを通じて被災地の現状をあらためて認識し、今後の行動へと活かしてほしい」と訴えた。

続いて今村雅弘復興大臣が登壇。「産業・生業の再生を果たすうえで、風評をいかに克服するかが大きな課題となっている。各省庁においても、東北産品の消費拡大や東北観光の振興に全力で取り組んでいる」と述べ、「経済界においても、東北に『春』が感じられるよう、力添えをお願いしたい」と呼びかけた。

■ 基調講演

前半の基調講演では、復興庁の小糸正樹統括官、福島県の野地誠風評・風化対策監が復興の現状と課題について説明。食品の安全・安心の確保、輸入規制の撤廃などに向けた取り組みを紹介するとともに、県産品の販路回復・開拓に向けて、科学的根拠に基づいた正確な情報発信を粘り強く続けていくと述べた。

■ パネルディスカッション

後半のパネルディスカッションでは、日本放送協会の今井純子解説委員の進行のもと、5人のパネリストが風評払拭に有効な方策等をめぐり議論した。ふくしま未来農業協同組合の菅野孝志組合長は「(福島産の)農産物が買い叩かれる状況が当然であってはならない」と主張。毎年3月だけでなく、日ごろから被災地の情報を発信することが重要であると指摘した。

東北観光推進機構の清野智会長は、全国的なインバウンド急増に比して、東北は伸び悩んでおり、特に福島の落ち込みが大きいことを説明。「(風評克服への)特効薬はないが、東北6県が一体となってプロモーションを行うなど、地道に取り組むことが重要」と訴えた。イトーヨーカ堂の恵本芳尚執行役員食品事業部長は、「流通の現場レベルでは東北産品への風評は和らいでいる。買い叩きがあるとすれば残念」との認識を示した。そのうえで、「流通業として正しい情報を伝え、東北産品の販売拡大を心がけていく」と述べた。

MCIPホールディングスの横手志都子社長は、復興を支援する視点から、同社と福島県との間で連携協定を締結し、メディアを使って福島の現状の情報発信に取り組んでいると説明。「アジアなど海外への発信を含め、復興に笑いの力をどのように活かすか、県とともに考えていきたい」とした。東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターの関谷直也特任准教授は、「福島県産品への拒否感は現在本質的な問題ではない。調査データからは、消費者の拒否感は変化し、震災直後と比べて薄れてきている」と指摘。「一方、流通構造はもとに戻っていない。意識を変えるだけで、風評は解決しない。流通改革のあり方、県外への情報発信などをきちんと考える必要がある」と主張した。

◇◇◇

シンポジウムの最後は、復興庁と経団連で取りまとめた「風評払拭に向けた共同アピール」を公表した。

共同アピールを公表する今村復興相(右)と岩沙審議員会議長

風評払拭に向けた共同アピール

東日本大震災から6年を迎えるなか、被災地では生活面での基盤整備に一定の目処がつく一方、震災に対する国民の記憶の風化が進むとともに、風評が根強く残るなど、本格的な復興は道半ばにある。真の復興を実現するためには、風評を払拭し、産業の再生を一層加速させていかなければならない。

復興庁・経団連はその重要性に鑑み、東北産品の省庁・企業での活用、安全性の発信、東北への観光や企業立地の呼びかけなどに官民一体となって取り組み、国民の正しい理解を促すことで、一刻も早い産業復興に貢献する。

【産業政策本部】

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