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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年5月18日 No.3315 「超スマート社会(Society 5.0)の実現に向けて」 -橋本物質・材料研究機構理事長が幹事会で講演

講演する橋本理事長

経団連が4月18日、東京・大手町の経団連会館で開催した幹事会で、物質・材料研究機構(NIMS)の橋本和仁理事長から「超スマート社会(Society 5.0)の実現に向けて」をテーマに講演、Society 5.0の実現に向けた課題について聞いた。概要は次のとおり。

サイバー空間と現実空間の高度な結合により生み出される「超スマート社会(Society 5.0)」とは、「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会のさまざまなニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といったさまざまな違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」を指す。第5期科学技術基本計画には、超スマート社会を世界に先駆けて実現するための仕組みづくりを強化することが盛り込まれた。

Society 5.0は、経団連と内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が世界に先駆けて共同でつくり上げた概念であり、経団連の積極的な周知活動が功を奏し、世界的にもかなり認知度が高まってきた。日本が Society 5.0を牽引していくためには、各種サービスを統合したプラットフォームを構築し標準を勝ち取ることが重要である。

Society 5.0に向けた研究・技術開発においては、従前の要素技術の活用というアプローチではなく、社会的課題を分解して必要な技術要素を探し出し、その研究開発の成果を集積するという課題解決型の新しい発想が必要となる。NIMSはそうした考え方に基づいて、素材開発や材料・デバイス研究を進めている。

こうした研究開発は1社だけで成果を挙げることは難しく、異業種との連携が欠かせない。米国やドイツの事例も参考にしたベンチャーやアカデミアとのオープンイノベーションは大きなカギとなる。日本再興戦略(6月改訂予定)には大学・研究開発法人・ベンチャー・産業界が有機的に連携したイノベーションナショナルシステムの構築が盛り込まれており、NIMSもハイリスクだが高効率の研究を可能とする同業多社の水平連携を試みている。

新しい価値やサービスを創出し人々の生活を豊かにする Society 5.0の実現に向け、国を挙げた取り組みを推進するため、産業界とは今後とも密に連携していきたい。

【総務本部】

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