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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年5月25日 No.3316 ガイ・ライダー・ILO事務局長からILO活動と日本企業に対する期待を聞く -雇用政策委員会国際労働部会

説明するガイ・ライダー事務局長

経団連は5月11日、東京・大手町の経団連会館で雇用政策委員会国際労働部会(得丸洋部会長)を開催した。ILO(国際労働機関)のガイ・ライダー事務局長から、ILO活動と日本企業に対する期待について、説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。

■ ILOとは

ILOは第一次世界大戦後の1919年、世界平和と社会正義の実現によって、加盟国が適正な労働基準を達成することを目指して創設された国連の専門機関である。現在、加盟国は187カ国に及ぶ。ILOは、政府だけでなく、使用者、労働者を含む三者がILOの政策策定に携わっている。

■ ILOの企業活動への関わり

ILOにとって、企業は重要なパートナーであるが、かつては十分な関係を構築できていなかった。そこで、私が2012年に事務局長に就任以降、Enterprise Initiative を立ち上げ、使用者、企業との関係強化を進めている。今後も企業の声によく耳を傾け、ともに社会正義の実現を図っていきたい。

また、昨今、企業がグローバルに活動を進めるうえで、CSR(企業の社会的責任)は欠かせない要素となっている。ILOは加盟国を拘束する国際労働基準の設定を通じて、各国の企業が公正な競争条件のもとでCSR活動を進められるようにしている。

ILOは創設以降約80年間、国際労働基準を遵守すべき責任は政府のみにあるとのスタンスをとっていた。それが企業におけるCSRの機運の高まりとともに、20年ほど前から状況が変わってきたが、ILOでは十分な対応ができていなかった。私の体制下では、ILOの国際労働基準、経験、知見を企業のCSR活動に役立ててもらいたいと考えている。

■ 重点活動分野

昨今、企業が自社の活動の延長線上にあるグローバルサプライチェーン(以下、GSC)の各段階において、労働者の人権の尊重・保護に責任を果たすべきだとの声が高まっている。それに対応して、企業が Due Diligence(戦略策定、リスク管理、監査・報告体制の整備)を進めていくことが求められている。昨年のILO総会では、GSCの管理をどうするか議論を行い、その結果を踏まえ、最近策定した行動計画では、企業に新たな責任を課すのではなく、ILOとして、企業が Due Diligenceを進めるための支援・協力体制を強化することをうたっている。

■ 今後の推進施策

第1に、昨年発効した国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に対して、ILOとしても軌を一にして行動していく。

第2に、環境の持続可能性の確保に向けた、経済、労働、生産システムのあり方について検討していきたい。

第3に、IT化やAI(人工知能)の進展等により、仕事の世界(World of Work)が急速に変革を遂げるなか、19年に創設100周年を迎えるILOの一大プロジェクトとして、政労使で仕事の未来(Future of Work)の議論を進めたい。

【労働法制本部】

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