1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2017年5月25日 No.3316
  5. 「第6回リーダーシップ・メンター・プログラム」を開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年5月25日 No.3316 「第6回リーダーシップ・メンター・プログラム」を開催 -たとえボールを落としてでも守備範囲を超えて“横っ飛び”を心がけよう!/佐藤審議員会副議長が講演

佐藤審議員会副議長

経団連は4月21日、女性役員のさらなる活躍を応援する「経団連女性エグゼクティブ・ネットワーク」の活動の一環として、東京・大手町の経団連会館で「第6回リーダーシップ・メンター・プログラム」を開催した。吉田晴乃審議員会副議長・女性の活躍推進委員長を含め、女性役員約30名の出席のもと、佐藤康博審議員会副議長(みずほフィナンシャルグループ社長)をメンターに迎え、現代社会の環境変化とリーダーとしての心構え等について講演を聞いた。講演の要旨は次のとおり。

■ 5つのターニングポイント

われわれは今、5つの大きな歴史的転換点(ターニングポイント)に立っている。1つ目は地政学リスクの高まりである。米国が内向きになり、EUドリームが揺らぎ、中国・ロシアの覇権主義が台頭するなど、世界のバランスが崩れつつある。2つ目は、格差の拡大、貧困の再生産への懸念である。3つ目はテクノロジーの進化によるBtoCからCtoBへの変化である。消費者一人ひとりのニーズにカスタマイズしたサービス・商品を提供できるかが企業の生き残りのポイントとなっていくであろう。4つ目は金融危機の可能性である。過去10年ごとに金融危機が発生している。リーマンショックから9年がたっており、どこかにゆがみが堆積していないかという視点でマーケットの数字を見続ける必要がある。5つ目は「人生100年時代」の到来である。長寿化を前提としたビッグピクチャーを描く必要がある。こうした5つの視点で自分の置かれた環境を360度見渡すことが、これからの経営者に求められる。

■ みずほの目指す姿

金融危機を通じて、規制が強化されるとともに顧客重視の姿勢が求められるようになった。当社は、銀行だけでなく、信託・証券・資産運用・シンクタンクの総合金融コンサルティンググループを目指す「One MIZUHO 戦略」を掲げ、お客さまのニーズに寄り添い、潜在的な課題を見つけて明確にコンサルティングするフルサポート体制のビジネスモデルを目指している。

■ みずほを支える人材の活躍促進

野球の“横っ飛び”のように、たとえボールを落としても守備範囲を超えてボールを拾おうとする姿勢を見せた行員に「One MIZUHO カルチャープライズ」という賞を贈っている。それにより失敗からの学びを評価するコーポレートカルチャーを醸成している。

当社を支える人材の活躍促進という観点では、次世代のリーダー育成を目的とした特別な育成プログラムを開始したほか、今年4月には34歳の史上最年少の支店長も誕生している。また、私自ら「リーダーシップ10箇条」を作成し、リーダー育成にも力を入れている。強いリーダーには、知的好奇心や人の話を聞く力が求められる。

また、若手、シニア、女性、LGBT等も含めた多様な人材、多様な価値観を持つグループの全役職員に活躍してもらいたいと考えている。

◇◇◇

佐藤副議長からの熱いメッセージを受け、その後の意見交換では、同社のカルチャーからテクノロジーの進化への対応など多岐にわたる質疑が行われた。

【政治・社会本部】

「2017年5月25日 No.3316」一覧はこちら