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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年5月25日 No.3316 事業者団体における独占禁止法コンプライアンスに関する説明会を開催

経団連は4月26日、東京・大手町の経団連会館で事業者団体における独占禁止法コンプライアンスに関する説明会(司会=川田順一経済法規委員会競争法部会長)を開催し、公正取引委員会経済取引局の杉山幸成総務課長、古川博一取引部相談指導室室長補佐から説明を聞いた。団体会員を中心に約60名が参加した。説明の概要は次のとおり。

■ 事業者団体ガイドラインについて

独占禁止法の禁止規定には、事業者団体が行為主体(規制客体)である「事業者団体規制」があり、一定の取引分野における競争を実質的に制限することなど、8条各号の行為が禁止されている。違反については、排除措置命令や構成事業者に対する課徴金納付命令、場合によっては刑事罰の対象となることもある。

公取委では、事業者団体による違反の未然防止を図るとともに、その適正な活動に資するため、事業者団体ガイドラインを策定している。ガイドラインでは、「価格制限行為」「数量制限行為」といった主要な活動類型ごとに、事業者団体のどのような活動が独禁法上問題となるかについて、参考例を挙げながら考え方を示している。

■ 事業者団体における独占禁止法コンプライアンスに関する取り組み状況について

公取委では昨年、事業者団体における独禁法コンプライアンスの強化に資することを目的として、その取り組み状況について調査等を行った。調査では、団体役職員向けの取り組み、団体の具体的な活動に関する取り組み、構成事業者向けの支援の取り組みの3つの調査対象領域を設定した。

その結果、全体としては、多くの調査項目において、独禁法コンプライアンスの取り組みを行っている事業者団体は半数に満たず、企業における取り組み状況と比べると必ずしも多くない実態が明らかとなった。このような結果の背景には、事業者団体における独禁法コンプライアンスに対する意識が全般的に高いとはいえないこと、企業に比べて人的リソースが豊富ではないことがあると思われる。

一方で、少ない人的リソースのなか、構成事業者や他の事業者団体のコンプライアンス・マニュアルを参考に、効率的にマニュアルを作成しているという小規模団体の取り組みや、独禁法上の問題が生じるリスクを伴う事業者団体の会合で、会合が終わった後、構成事業者のみが会議室に残って情報交換等を行わないよう、会議室から全員が退席したことを確認してから団体役職員は退室するといった取り組みなど、参考とすべき取り組みの例も見られた。

◇◇◇

昨今、企業において、独禁法違反行為に巻き込まれるおそれから、事業者団体の活動への積極的な参加をためらう状況が見受けられる。日本経済の発展に向けて有用な活動を行う事業者団体の健全な発展のためにも、各団体においては、個別企業と同様、独禁法コンプライアンスの取り組みをお願いしたい。

経団連では、独占禁止法コンプライアンスの促進・徹底に向け、引き続き取り組んでいく。

【経済基盤本部】

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