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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年2月15日 No.3350 榊原会長記者会見

経団連の榊原定征会長は2月13日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

榊原会長は経済情勢について、日本ならびに世界の経済状況、企業の業績は順調に推移しているとの認識を示した。金融資本市場の大きな変動は経済のファンダメンタルズの変化によるものではなく、年明けから一本調子で上がり続けたことを受けた調整だととらえていると述べた。

春季労使交渉が本格化するなか、賃金改定交渉は企業の業績の実績や見通しをベースに行われるものであることから、昨今の金融資本市場の動揺を冷静に受け止めている経営者は多く、影響は極めて限定的との見方を示した。

会社法改正について、焦点の一つは株主提案議案数の上限を設けることであると指摘。現行制度では、議決権の1%以上または300個以上の議決権を保有すれば、いくつでも株主提案ができるため、極めて少数の議決権しか保有していない株主が膨大な数の議案を提出し、株主総会の時間の多くを費やさざるを得ない事例が生じていると指摘。株主提案権を合理化することは経団連としても望ましい方向であり、実現してほしいと述べた。

もう一つの焦点である社外取締役の義務づけについては、2015年に適用が開始されたコーポレート・ガバナンスコードを受けて、現在、東証一部上場企業のほぼ100%が社外取締役を設置していることを説明。これを踏まえ、あらためて法的に義務づける状況ではないとの認識を示した。

日米関係について榊原会長は、さまざまなレベルで日米間のパイプが細くなってきているとの危機感を持ち、パイプづくりに努めてきたことに言及。日米関係は最も重要な二国間関係であり、会長就任以来、経済外交を強化してきたと述べた。この3年間で7回の訪米ミッションを派遣、連邦政府のみならず州政府との交流も重視し、14州を訪問してきたことに触れ、今年5月のミッションでは、さらに2州を訪問する予定であるとした。

訪問先では、(1)日米経済関係が摩擦の時代を乗り越えて、win-winの協調関係を構築していること(2)自由貿易の重要性(3)人脈の形成――の3点を主張してきたことに言及。日米の協調関係について、日本企業が米国内で事業を展開し、良き企業市民として米国経済社会に貢献していることを連邦政府、州政府に正しく理解してもらえるようになってきたと成果を強調した。

また、自由貿易の重要性について、米国がTPPから離脱し、NAFTAの見直しを進めているなかで、自由貿易の必要性、TPPが経済的・戦略的な意義を有すること、NAFTAが米国にとっても必要な枠組みであることを地道に訴えていかなければならないと述べた。

人脈の形成については、さまざまなレベルで日本の理解者、支持者を増やし、その集積の上に強固な日米関係を構築していくことが重要だとの考えを示した。

【広報本部】

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