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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2018年9月6日 No.3375 「人生百年時代『開いたキャリア』づくりと学び」について聞く -雇用政策委員会人事・労務部会

経団連の雇用政策委員会人事・労務部会(國分裕之部会長)は8月2日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、リクルートワークス研究所の中村天江主任研究員から「人生百年時代『開いたキャリア』づくりと学び」について説明を聞いた。概要は次のとおり。

■ 人生百年時代のキャリア形成

終身雇用を前提とした従来の日本の多くの大企業では、社員は会社からの辞令に従い、与えられた仕事のなかで成果を上げることが求められていたため、自身のキャリアに対し主体的な意思を持たないことが合理的であった。

これからの人生百年時代では個人の職業人生は長くなる一方、技術革新の急速な進展により事業の不確実性が高まっていく。その結果、1つの組織で働き続けることは現実的ではなくなり、個人が職業や組織を移ること(キャリア・トランジション)を前提とした、組織に閉じない「開かれたキャリア形成」が重要となる。

個人には、専門性を高めることに加えて、主体性を持って自身のキャリアを決定すること(キャリア自律)が求められる。キャリア自律を構成する要素は、自己学習とキャリア展望である。

■ 求められる能力と自己学習のあり方

技術革新が進むなかで、社員に求められる能力も変化している。特定の業務に注力するスペシャリストには、テクノロジーを開発・活用し、自身の専門性そのものも開発するテクノロジストとしての能力が求められる。一方、広範な知識を持ち調整能力に長けるジェネラリストには、テクノロジストを束ね、新たな付加価値やビジネスモデルを創出するプロデューサーとしての能力が求められる。

自己学習は、社員にすべてを任せるのではなく、学ぶ内容や目標、学んだ成果を活かす場について、会社や上司と本人の間で意識をすり合わせることが効果的である。例えば、学習内容は社員が提案し、すり合わせの結果、必要な費用や時間について会社が応援するなど、社員と会社のコラボレーションも一案である。

■ 社外ネットワークを通じたキャリア展望

当研究所の調査では、社内のコミュニティーよりも、ボランティアや副業などで接する社外の人的ネットワークの方がキャリア展望を高めるうえで効果が高いという結果が得られた。会社としては、副業の推奨が難しければ、ボランティアをキャリア形成支援策と位置づけ、推奨することが有効である。

■ 転職者の活躍に向けて

キャリア・トランジションの1つのかたちが転職である。メンバーシップ型の日本企業では、転職者には、新しい仕事の仕方や人間関係を学ぶことに加え、前職で培った企業特殊的な能力をあえて捨てるアンラーニングが重要となる。

一方、会社は、転職者がスムーズに適応できるように、役割分担の仕方や上司のかかわり方を工夫する必要がある。また、自社を一度辞めた人や、グループ企業などで働いたことがある人は、企業特殊的な能力をすでに持っており、自社に適応しやすいため、こうした人材を積極的に採用することが期待される。

【労働政策本部】

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