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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年9月6日 No.3375 総務省と財務省から統計改革の取り組み状況等について聞く -経済財政委員会統計部会

経団連は7月30日、東京・大手町の経団連会館で、経済財政委員会統計部会(野呂順一部会長)を開催し、総務省統計委員会担当室の櫻川幸恵室長、上田聖次長ならびに財務省財務総合政策研究所調査統計部の巴道章部長から、統計改革の取り組み状況等について説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 改正統計法の概要、統計改革の今後の方向性、統計調査に関する提案募集について(総務省)

統計改革に向けた取り組みの一環として今年5月に成立した改正統計法の主なポイントは、次の5点である。具体的には、(1)行政機関が公的統計の作成に関し関係者等の理解を得るとともに、データを保有する企業等が行政機関の協力要請に応じることを努力義務として規定するなど責務を明確化したこと(2)事業所等の基礎情報を網羅的に収録した事業所母集団データベースの利用範囲を拡大し、より正確な統計の作成や事業所の記入者負担を軽減すること(3)調査票情報の提供対象について、学術研究を行う者に拡大したこと(4)統計委員会の所掌事務に公的統計基本計画の実施状況に関する勧告等を追加するとともに、各府省庁との調整を行う幹事を設置したこと(5)わが国の公的統計制度を実務面で支える統計センターに、国・地方公共団体の委託を受けて統計調査を実施する業務を追加したこと――である。

また、今後の統計改革の方向性は大きく5つの柱から成る。具体的には、(1)GDP統計を軸にした経済統計の改善を進めるために、国の経済財政運営において極めて重要なサービス分野を中心に必要な基礎統計の拡充・改善を行うとともに、産業別の付加価値の和である生産側GDPと個人消費や設備投資などの和である支出側GDPと突合することでGDPの精度向上を図ること(2)産官学協議による連携会議においてビッグデータ等の相互利活用の促進を図ること(3)各府省の統計データをワンストップで提供するe―Stat(政府統計の総合窓口)について、高度な分析が可能となる統計データの拡充や利用環境の充実等を推進すること(4)統計作業の官民の時間コストを2018年度から3年間で2割削減するために、各府省がオンライン調査の推進や記入項目の縮減・代替等に取り組むとともに、総務省においてコスト削減の進捗を毎年フォローアップすること(5)統計委員会が、全政府統計の業務プロセスについて、統計の精度向上、業務効率化、統計の利活用推進、報告者の負担軽減等の観点から点検を行う「統計棚卸し」を今年度から実施すること――である。

最後に「統計調査に関する提案募集」については、国が実施する統計調査に関する報告者の声・統計ニーズを常時把握し、報告者負担の軽減や調査方法の改善等を図るために、総務省のウェブサイト上で今年3月から募集の受付を開始した。経団連からも積極的な提案をお願いしたい。

■ 法人企業統計調査の早期化の必要性と負担軽減策等について(財務省)

16年12月、経済財政諮問会議は「四半期別GDPの1次速報と2次速報の乖離は、2次速報から用いられる法人企業統計によるものが大きい」と指摘し、経済界の協力を得つつ、法人企業統計の回収早期化の方針が提示された。

財務省としては、上記の方針を受けて、法人企業統計の本調査とは別に、回答期限を四半期終了後約1カ月後に設定した附帯調査を19年度から試験的に開始することとしている。その際、附帯調査の対象は資本金10億円以上の法人に限定したうえで、調査項目についてGDPの推計に必要な項目を最小限に絞り込むなど、報告者負担に配慮しており、経済界のご理解・ご協力をいただきたい。

【経済政策本部】

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