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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2018年9月27日 No.3378 企業間連携による物流効率化の取り組みについて聞く -運輸委員会物流部会

経団連の運輸委員会物流部会(坂元誠部会長)は9月12日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催した。アサヒグループホールディングスの島崎市朗ゼネラルマネージャー、JPR総合研究所の永井浩一主席研究員から、共同配送やパレット共同利用による物流効率化の取り組みについて説明を受けるとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ アサヒグループホールディングス=アサヒグループからみた「ビール業界の共同配送の取り組み」

当社は、自社グループ内の物流の見直しに加えて、他のビールメーカーとともに、温室効果ガスの削減を共通軸とした物流効率化に取り組んでいる。2000年代央から本格化した共同配送の背景には、「競争と協調」がある。昨今、ドライバー不足の問題が顕在化し、効率追求のため、協力して対応せざるを得なくなっている。

ビール業界では、ビン・カンの統一規格化やパレットの共同利用などが長く行われ、共同配送の基盤となる協調領域は文化として根づいていた。そうした背景もあり、運輸・流通各社とも連携し、首都圏や北陸、北海道などで共同配送が実現している。最近では同一業界にとどまらず、異業種との連携も広がりつつある。また、モーダルシフトやコンテナのラウンドユース、物流拠点の共同利用なども行われている。その結果、CO2排出量の削減、ドライバーの適切な配置や輸送量の確保などで大きな効果を上げている。

トラック待機時間の削減に向けた共同の取り組みも実施している。荷物量が多いビール4社が中間流通業者と共同で専用バースの設置と納品時間の調整・分散を行い、待機時間を大幅に短縮した。また、入庫を分散し、構内作業負荷の平準化も実現した。

こうした取り組みを進めるなかで、目指すところは、より広い視点からの物流ネットワークの維持・効率化へと変化している。

■ JPR総合研究所=標準パレットによる共同利用事業を核とした物流効率化

貨物輸送のパレット利用は、ピッキング・検品作業の負担を軽減し、作業時間やドライバー拘束時間の短縮につながる。例えば、トラック輸送の回転数は1日1回から2回になるなど、運行効率が向上する可能性も出てくる。

当社では、パレットの共同利用・共同回収システムを積極的に普及、推進している。従来、各社は自社独自のパレットを取引先への納品に使用後、自ら回収する必要があり、非効率であった。そこで、当社はパレットを貸し出し、利用後、納品先でパレットを回収し、車両の積載率向上等を実現している。現在300社を超える消費財メーカーが活用している。

また、情報可視化による作業効率化も重要である。当社では、保有する約650万枚のプラスチック製パレットにRFIDを貼付して個体管理を行い、サプライチェーン全体での情報共有を目指している。将来的には、パレット積載商品の検品作業を一瞬で完了できるようにしたい。そのためには、納品情報の標準フォーマット化が必要になるだろう。

国際的な動きについて、現在わが国は、日中韓物流大臣会合において、標準化された物流機材の普及促進・物流機材のリターナブルユースの拡大の議論を主導している。また、アジアパレットプールシステム連盟(APSF)が域内でのパレット規格の標準化を推進しており、わが国のパレット規格が普及するよう取り組んでいきたい。

【産業政策本部】

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