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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年12月13日 No.3389 農・産・学・官の連携の加速を目指す -農業技術革新・連携フォーラム

主催者としてあいさつする十倉副会長・農業活性化委員長

農業の生産性向上、成長産業化への期待が高まるなか、経団連は農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、日本農業法人協会、先端農業連携機構と共催で、11月26日、都内で「農業技術革新・連携フォーラム」を開催した。生産者や民間事業者、研究者、政府関係者ら約300名が参加し、分科会、交流会等を通じて活発な議論が行われるとともに、引き続き連携を強化していくことが確認された。

冒頭、主催者である農研機構の久間和生理事長、経団連の十倉雅和副会長・農業活性化委員長、日本農業法人協会の山田敏之会長があいさつ。それぞれ、「本フォーラムは経済界、農業界、農研機構が一体となって連携し、『農業の産業としての自立』を実現するための場」「農業は『Society 5.0』の実現に向けて先端技術を積極的に活用できる分野。共同研究や現場実証、製品化等のさまざまなフェーズでの連携を期待する」「安定供給という役目を果たすべく、省力化も含めた経営改善について議論していきたい」と述べた。来賓の末松広行農林水産事務次官も「農業現場での技術活用が進めば、農業者の所得向上や地域の発展、企業のビジネスチャンスに結びつく」と述べ、関係者による活発な議論に大きな期待を寄せた。

続いて、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の野口伸・次世代農林水産業創造技術プログラムディレクターが基調講演。「グローバル競争に勝てる強い農業」と「農林水産業および関連産業の市場規模拡大」というコンセプトのもと、SIPが進めるスマート農業と農林水産物の高付加価値化について紹介した。具体的には、「スマート農業の推進に関して、今年10月から自動走行トラクターの販売を開始したほか、自動水管理システムによる水稲作での水管理作業時間の削減(約80%減)が図られている。また、気象情報や地図情報、生育予測、土壌情報等のデータの共有・活用を進めており、『農業データ連携基盤(WAGRI)』では、2019年4月の本格稼働を目指し、参加団体も約250となっている。さらに、高付加価値化に向けては、認知症予防や身体ロコモーション改善食品等の次世代機能性食品の開発等に取り組んでいる」と説明。研究のための研究ではなく、社会実装を見据えて進めていると意気込みを示した。

その後、水田作、果樹・茶、野菜・花き、畜産と品目ごとの分科会に分かれ、それぞれの技術課題等について議論。農業界から具体的な経営課題やニーズを聞き出すとともに、経済界から技術紹介をし、農業現場への技術導入に向けた具体策について活発な議論が行われた。

【産業政策本部】

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