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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2018年12月13日 No.3389 個人データの活用促進に向けた法制上の課題 -東京大学大学院の宍戸教授から聞く/情報通信委員会企画部会

経団連は11月28日、東京・大手町の経団連会館で情報通信委員会企画部会(武山芳夫部会長)を開催し、東京大学大学院法学政治学研究科の宍戸常寿教授から、個人データの活用促進に向けた法制上の課題について説明を聞いた。概要は次のとおり。

■ データ活用促進の全体像

情報・データ政策の目標は従来、表現の自由や知る権利、データの保護、通信の秘密等であった。しかし、人口減少・少子高齢化・グローバル化等が進行するなか、情報・データ政策がすべての政策領域と融合するようになり、利活用のためのデータ保護が課題となってきた。

官民データ活用基本法がオープンデータの促進やデータの円滑な流通の促進を進める旨を示し、オープンデータ基本方針が公開データの二次利用に関するルールやオープンデータ・バイ・デザインの推進を盛り込むなど、データ流通・利活用に向けた環境整備は着実に進展している。データの利活用は健全な民主主義の基礎であり、官には「データは公共財」という意識を持つことが求められる。

■ データと競争・情報通信政策

技術の高度化等を背景にデータ収集能力が企業の競争力に直結するようになったことから、すべての事業者がデータを収集・利用できる環境が求められている。しかし、大量のデータが一部の事業者に集中しているとの指摘もあり、競争政策、情報政策、消費者政策の観点から政府で検討が進められている。

欧州の一般データ保護規則(GDPR)が導入したデータポータビリティーは、個人情報保護だけでなく、データ市場へのアクセスという点で競争政策上の意義も有している。

■ 個人データの保護と利活用推進

2015年の個人情報保護法改正により、要配慮情報や匿名加工情報の導入等の措置がなされた。また、個人識別性を残したまま個人データの流通・活用を進めるための取り組みとして、パーソナルデータストア(PDS)・情報銀行・データ取引市場等が推進されている。こうした取り組みが成り立つためには、関係事業者に対する個人からの高度の信頼が欠かせない。

■ 個人情報保護法の見直しに向けて

20年に予定されている個人情報保護法の見直しに向けては、以下のような論点がある。

まず、保護強化のためのルール・体制として、いわゆる2000個問題への対応や公的部門の監督が検討課題である。データポータビリティーやプロファイリングに関しては、欧州での取り組み状況や事業者の萎縮効果を見極めなければならず、個人的には事業者が自主的に取り組むべき課題だと思っている。海外事業者への執行強化に向け、課徴金制度の導入も含めた個人情報保護委員会の体制・権限の強化も検討すべきである。

【産業技術本部】

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