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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2019年2月21日 No.3397 大統領候補賞味期限説について -ワシントン・リポート<55>

2020年の大統領選はまだ1年半以上も先だが、早くも民主党側では4人の現職上院議員と1人の現職下院議員が正式に出馬を表明している。検討中も含めるとまだ20人以上が立候補する可能性があるという乱立状況にあるなか、すでにワシントンDC界隈では各候補者についての話題で盛り上がっている。今後、各候補者たちの民主党の指名獲得、そして本選勝利の可能性について分析や予測が来年11月まで飛び交うことになるが、各候補者の経歴に関する興味深い1つの「説」をここに紹介したい。それは「大統領候補賞味期限説」である。

この説は、保守系政治誌Weekly Standard誌のアンダーソン氏の記事で紹介されたものだが、もとは03年に話題になった分析をベースとしている。まず設定としては、大統領になるための経歴として4つの必須ポスト(副大統領、上院議員、州知事、閣僚)が存在する。この4つのポストのどれも経験せずに大統領選に勝利した(現職の死亡や辞任によって後継に就任した者は除く)のはアメリカ史上5人だけ(ワシントン、テイラー、リンカーン、グラント、アイゼンハワー)であったが、トランプ現大統領が6人目となった。ちなみにこの例外6人のうちリンカーン(下院議員1期経験のみ)とトランプ以外は軍人英雄である。

これらの必須ポストへの初めての就任を政治の表舞台への登場と考え、その登場から何年で大統領に選出されるのかを調査した結果、面白い事実が判明した。それは、南北戦争以降の大統領は全員この必須ポストに初めて就いてから14年以内に大統領に当選しているのだ。ただし、その間に副大統領に就任すればその在任期間はカウントされない。これまでに最長の14年かかったのは、レーガン(1966年カリフォルニア州知事/80年大統領選)とビル・クリントン(78年アーカンソー州知事/92年大統領選)である。

つまり、大統領にはアメリカを未来に引っ張っていくリーダーという前向きな要素があり、表舞台登場からあまり時間がたち過ぎると過去のイメージが定着してしまうようである。その賞味期限は過去の例からすると14年なのだ。そして、16年の大統領選で圧倒的に優位とみられていた民主党のヒラリー・クリントン元国務長官は、00年にニューヨーク州から上院議員に選出されてから16年経っていたのだが、必須ポスト経験ゼロのトランプ現大統領に敗れたという事実がある。

今回の民主党候補として取り沙汰されている名前をみると、トランプ大統領との対比や党としての若返りをアピールしたい意向もあって比較的政治経験の浅い者が多い。一方で、党内中道派で知名度が最も高いバイデン前副大統領は、上院初当選から副大統領就任まで賞味期限の2.5倍以上の36年を経ている。また、興味深いことに現職上院議員候補のなかでは、前回予備選で次点に終わったサンダース上院議員(バーモント州)および中西部の白人労働者階級票をねらえるダークホース候補といわれるクロブシャー上院議員(ミネソタ州)とブラウン上院議員(オハイオ州)の3名は、上院議員初当選から期限ギリギリの14年となる。必ずしも20年の大統領選挙に賞味期限説が当てはまるとは限らないが、歴史が塗り替えられるのかどうかという視点でも要注目である。

【米国事務所】

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