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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年3月21日 No.3401 州政府との協力覚書 -ワシントン・リポート<56>

日米の間では長年にわたり、経済活動や安全保障のみならず人的交流や文化面を含めたさまざまな協力が実施されている。その対象は非常に幅広く、国同士や地方都市同士、あるいは民間同士のものまで多岐にわたる。そのなかでもユニークなものとしては、日本国政府と協力覚書を結んでいる州政府の存在だ。現時点では、カリフォルニア州、ワシントン州、メリーランド州の3つである。これらは両国関係の強化に資するものであり、今後、新たな州との協力覚書の締結や、さらなる交流の活発化に向けた内容の更新なども期待されている。

■ カリフォルニア州

日本国政府と最初に協力覚書を締結したのは西海岸のカリフォルニア州で、歴史的および経済的な結びつきの強さを踏まえて、2014年9月に「気候変動、再生可能エネルギー、貿易及び投資、自動車、高速鉄道及び水に関する協力覚書」が当時の佐々江賢一郎駐米大使とジェリー・ブラウン同州知事によって署名された。これに基づいて、両者は気候変動の脅威に対する共通の懸念を確認しつつ、気候変動に関連する諸課題に対処する取り組みを強化している。

また、さらに協力を推進するために同覚書は16年9月に再署名されている。

■ ワシントン州

西海岸の最北部に位置するワシントン州は、日本との交流の始まりは1834年までさかのぼるほどの長い歴史がある。経済関係では自動車や航空産業、農林水産業等の多くの日本企業が進出しており、日本国政府と同州で2016年6月に「経済及び貿易関係に関する協力覚書」が署名され、18年6月には再署名も行われている。対象となる協力分野としては、(1)気候変動(2)エネルギー(3)航空宇宙(4)農業および高付加価値植林産物(5)生命科学(6)情報通信技術(7)防災(8)物流(9)学術協力(10)貿易および投資――である。

また、16年11月に同州は、自動車運転免許試験の相互免除に関する覚書にも署名しており、日本の運転免許を保有していれば、同州の運転免許取得にあたって筆記および実技試験が免除される。

■ メリーランド州

首都ワシントンDCと隣接するメリーランド州は、約40年近い神奈川県と同州および川崎市とボルチモア市の姉妹関係をはじめとして日本との関係が深い。特に、高い教育水準の人的資源を活用しつつ、生命科学分野およびハイテク関係の日本企業が進出している。また、最近では液化天然ガス(LNG)の日本向け輸出も開始されている。

こうした動きも背景として、16年8月に「経済及び貿易関係に関する協力覚書」が署名されており、(1)高速鉄道(2)LNG(3)生命科学(4)貿易および投資(5)学術――の各分野における関係者の取り組みを支援し、協力していくことが確認されている。

なお、ワシントン州に先立って、15年11月に同州政府が最初に自動車運転免許試験の相互免除に関する覚書に署名している。

【米国事務所】

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